母のタイムスリップ日記
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リハの日である。 早めに家を出て リハ後買い物に出ようかと考えた。 それにしても雨足が強い。長野では天竜川決壊と言うニュースも入った。 こんな日に無理せずにいた方が良さそうだった。
夫の故郷からダンボール4箱のじゃが芋が届く。 半分は ご近所におすそ分け。 義姉の作るじゃが芋は 美味しいと評判なのだ。 そのじゃが芋の小粒の物を選んで 袋に詰めた。 バターも準備した。 ほかほかじゃが芋をみんなで味わえたらいいな。
施設に着くと他のフロアの方も一緒の昼食だった。 じゃが芋を職員に渡すと生憎そうに「今日は 見ての通り床清掃で出来ないのですよ」と言われた。 「しまった!」と思ったが「いや別の日でいいんですよ。じゃが芋は腐らないから…」と伝えた。
母の隣に座して 私の分のおにぎりをテーブルに載せた。 箸を入れたのだが行方不明なので 施設の割り箸を頂戴に席を立っている間に 母は 私のおにぎりの包みを開けていた。 それを見た職員が「おいしそうね」と。 と言う訳で おにぎり一個を母に渡したら 母はかぶりついた。 これは 想定済みなのだが 作る時一瞬迷ったのだ。 のりで巻くと母は食べ難いだろうから のりを細かく貼り付けようかな…と。でも しないままに来てしまった。 母は 何とか食べていた。 お箸で食べるよりも集中して食べていた。 小あじのマリネも持参した。 鯵は 小指と同等若しくはそれより小さい位のものである。 極小の鯵を見つけた時には直ぐ購入し冷凍保存するようにしている。 これだと骨が邪魔にならないから 母にも食べやすい。
施設のおかずとマリネとを母に食べて貰った。 私は おにぎりと母のご飯。
ゆっくりペースで食べ終えた。 実は昼食が配膳されテーブルに着いた時プンと臭った。 皆さん 食事が始まっているので そうっと席を立って居室トイレに移動。 緩めの便だった。 職員に聞くと今日は朝大きなものを排出した後という事だった。 残りの分かなと思って始末した。
食事が済んで直ぐトイレへ。 きちんと小水。
その後リハを待った。 リハが始まった時「お腹が結構ゴロゴロ鳴っていますね」と療法士さんが言われた。 母は リハの途中で突然話し始めた。「トイレだな」とピンと来た。
リハが済んで直ぐにトイレ直行。 やはり出た後だった。 お腹がとても激しくゴロゴロとしていた。 母がお腹の左側の所を押えて「何かが流れているみたいだ」と言っていた。 不安そうで 暫くトイレに座してもらい様子を見ていた。 お腹をそうっと押すとガスが抜けた。それを幾度か繰り返しトイレを出た。
昼食が済んで 別のフロアの人が入れ替え。 暫く雑談し その後ビーチボール遊び。 ワイワイと騒ぎながら楽しんだ。
昼食中に主任から「じゃが芋ありがとうございます。おやつの時に戴きます」と言われた。主任がじゃが芋を綺麗に洗っていてくれた。 「忙しい日に面倒な事してしまった」と申し訳ない気持ちでいっぱいだ。 茹でるのは 私の役目。 茹でている間にバターを小分けした。
茹で上がる頃 フロア移動。 そこで みんなでじゃが芋を頂く。 「美味しいよ」と言う声が広がった。 迷惑をかけたけれど みんなが喜んでくれて気持ちが救われた。 多めに茹でたので 職員にも味見して貰った。
みんなから話しかけられたり 一緒に歌を唄ったりと楽しんだ。
おやつ後 トイレ誘導。 お腹のゴロゴロは 治まっていた。
床掃除も済んで 母たちも自分のフロアに移動。 ところが 母の機嫌が悪くなってきていた。 「さ 帰るよ」と手を差し出すと振り払われた。「ここで良い」と睨まれた。「そうか ここがいいんだね」 他の方と少し話してから 再度チャレンジ。 両手介助で立ち上がってくれたので 椅子をテーブルにつけた途端 母は また 椅子を引っ張り出して着席してしまった。 一部始終をフロアの人が見ている。 騒ぎにならないように「ここがいいみたいで…皆さんありがとう♪」と声をかけてから♪ひとつ頂戴さくらんぼ…♪と歌い出して母の手を取った。 ♪胸の勲章にするんです…♪と母が歌いながら立ち上がり歩き始めた。 エレベーターまで 唄いながら歩きようやくフロアに戻れた。
でも 斜めになった機嫌は戻らなくて居室に誘導しようとしたがホールのソファーに座ってテレビを見始めた。 声をかけても返事なし。 飴を渡しても「いらない」と拒否。 最近 この時間 母の機嫌が悪くなる。
私の帰る時間と判るのかも知れない。 だって 施設に出向いた時「良く来てくれたね♪」という時が有るのだもの。だから 帰るという事も判る時もきっと有るよね。 そう思うと切ない。
認知症の人が運営するブログに認知症の人が次々集ってきている。 先日の朝日新聞にそのブログの紹介があった。 それを機に訪問している人もいる。
クリスティーンさんが来日して 日本の認知症の介護のありようが 少しずつ変化しているいるように感じている。 認知症の方がクリスティーンさんの本を読まれて勇気を得て居られるようだ。認知症ご本人が集える場所が出来てきた事は素晴らしいと思う。
私は 認知症の人の発信するメッセージに耳を澄まし 教えて貰っている。母のためばかりではない 自分の生きて行く先のためにも。
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