母のタイムスリップ日記
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2006年07月17日(月) ジャム作り


 家族みんなが休日だった。
今日は 珍しく3食とも家族揃っていた。

午後の時間は それぞれ違う場所に散った。
夫は 会社。娘は買い物。私は母の所。
誰かが家に残っていると 何処かしら後ろめたい気持ちになるが 今日は気分が楽。

母はソファーに座ってちょっと浮かなそうな表情。
何だか 咄嗟に理解できない話を 目滲ませした。
「うん うん」と聞いて 荷物を居室に運んだ。
「ん?」と思って 急いで母の所に戻って「トイレに行こう」と誘った。
図星だった。
既に少量出ていたが 残りも出せた。
「ごめんね。直ぐに気が付かなくて…でも良かった。嬉しいよ」と言うと
「ううん 私が悪い」
「そんなことない。出てよかったね。握手しよう」
「私が悪いの」

母の顔に笑顔が戻った。
母の意識に「失敗」と理解できる何かがある。
傍にいれば 理解できるかも…と言う思いと ひょっとしたらいろんな事に追われて受け止め切れにかも知れないと言う両方の思いがある。
でも「もう駄目だろう」とあきらめかけていた事が駄目じゃなかったと発見できて嬉しい。
言葉を発すれば もっと良いが…。

手を洗ってから 家から運んださくらんぼでジャムを作った。
最初に軸を取って貰った。
洗ってあるので それを口に運んでも良い。
「ジャムを作る」という事を意識しているようで 数粒は口に運ぶが殆どはきちんと軸取りが出来た。
軸を取ったものから 順次 一粒づつ 包丁を入れた。
今度は種を取り出す。
「種を取りましょう」と言って実際に種を取り出す様子を見せてから さくらんぼを渡す。
その作業を飲み込むまで 時間が掛った。
容器に入ったさくらんぼが見えないこともその一因のようだった。
傍らで 種取作業をし 取り出せない人にさくらんぼを渡して「種を取ってちょうだいな」と御願いする。
そうこうしているうちに 作業の中味が見えてきて みんな作業に入った。
別のフロアからも見えて その方は職員がフォローし種取作業をした。
みんなで出来るのは ここまでの作業。

後はキッチンに入ってお鍋でグツグツ。
さくらんぼの汁で汚れたテーブルは 台布巾でそれぞれ拭いてもらった。
容器の汚れは 母にキッチンに入ってもらって洗ってもらった。
その隣で 煮立ったジャムの灰汁取り。
程なくして さくらんぼジャムが仕上がった。
鍋を持ち出して みんなにお礼を言いながら仕上がったジャムを見てもらった。「わぁ〜」と言う声にホッとした。

ほんのちょっとの事だけれど 出来る作業をするっていいなぁ〜と思う。
直ぐに忘れてしまうのだろうけれど 瞬時で有っても達成感を持てば少しの自信回復に繋がると信じている。
そうでなくとも自信をなくしているのだから…楽しい事が少しでも有った方が良い。みんな笑顔で作業できた。

ジャムは 冷めてから職員が保存容器に移して 後始末をしてくださった。
余計な仕事を増やしてしまった。

それからみんなでおやつ。

その後 小雨の中 母とお散歩に出た。
今日は前のめりが少し強く出ていたが お散歩は楽しいと言う。
雨の歌のメドレーで歩く。
時に歌詞 時に手でリズムを取ってと楽しそうだった。

折り返しの道すがら コンビニに立ち寄りチョコレートを購入。
おやつが甘辛せんべいだったので ほんの一口チョコでもと思ったのだ。
レジを済ませて荷物を受け取った母「これ お返ししないと…」と袋に入ったチョコをレジの人に返そうとした。
「これは もうお金払ったから 持って帰って良いのよ」と言うと レジの人にすまなそうな表情をして一礼していた。
購入するという事も理解出来ていなかったのかもしれない。

施設に戻って レモンティーで水分補給。
歩いている時「暑いね」と母は幾度も言った。
今日は それほど気温が上がっていないのだが 湿度が高くて暑く感じたのだろう。
そしてチョコを「んまいよ」とニッコリ。

先日 母に「お腹空かない?」と聞いた。
その時に「今は空いてないけれど すごく空く時がある」って言っていた。
はっきりと話した事が印象に残っている。

夕食に響かない程度にチョコを補給。
他の方だって チョコくらいは…と思い 職員に聞いてから2粒づつチョコを分けた。みんな おいしそうに食べていた。

「夕方6時には食事」と家族と決めていたので その時間前には戻って食事の支度をするので急いで施設を後にした。


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