母のタイムスリップ日記
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2006年01月15日(日) 堪えてください♪


 母の所に出向く。
遅めの昼食だったようで 母ともう1人の方が食事中だった。
あ 勿論 玄関で消毒してから入りましたよ♪

嬉しい事に洋服を着用して ソファーに座って母は食事していた。
床に副菜を零してはいても 自力での食事だった。
おそらく食事はみんな一緒に始まったのだろうと思われた。

先に具合を悪くしておられる方と同室の方がグレーゾーンで居室隔離だった。

職員が見えて 母はあれ以後排便もなく熱もない。1人居室で椅子に座っていると転倒の危険があるので ホールに出て貰っていますといわれた。
それでもお食事は 皆さんと少し離れてだった。
でも 嬉しい。
起してもらえて一人じゃないなら 母の不安は解消される。
案の定 母は泣く事はなかった。
トイレに入っても べそをかくこともなかった。
やはり先日の泣き顔は 寂しさや1人で過ごす不安だったのだだろう。
食事は少し介助し 全量摂取。
水分もちゃんと摂れた。

トイレから戻った時 ソファーの背に掴まって立って貰ったら 膝が少し曲がった儘でカタカタと震えていた。
まるで 生まれたての子馬が初めて立ち上がった時のように小刻みに震えていた。危険な状態だ。
坂道を下り始めている。筋力が落ちているし立っているという意識が弱い様子だ。

ゆっくりとソファーに座ってもらい 座った上体で膝を交互に上げてもらおうとしたが 指示しても理解できない。
傍に行って 片足ずつ持ち上げ 数回「いちにい いちにい」と声をかけた。回路がつながったように足を上げてくれるようになったが 力はとても弱い。これでは運動にならないと思い 高い椅子に移動してもらって 同じ事を繰り返す。
少し母の意思で動いた。
それから 両手を引いて 号令をかけながらホール内を歩いた。
とても不安そうだ。
途中 手すりに掴まって膝の屈伸。曲げれる所まで曲げて 戻してを繰り返し 元の席に向かって右手介助で歩いて貰った。
席に戻って また足を交互に上げてもらい再度ホール内を歩く。
戻った時「疲れた」と母は言った。
「あのね 外にお出かけしたくない?」「…」
「歩けた方が楽しくない?」「…」
「歩けるようになって欲しいんだ♪」「…」
駄目かな?と思いながら 再度立ち上がって貰うと拒否しなかった。
少しずつ歩こうとした。 今度は時折手を放して 付かず離れずの距離で「ヨイショ コラショ ドッコイショ」と号令をかけて歩いてもらう。
私から目を離さずにふらつきながらも歩き出す。10歩くらいなら大丈夫。
ただ 傍にテーブルがあったりするとどうしてもそちらに頼りたくなる様子で…そうなると足のふらつきが大きくなってしまう。

それでもここまで歩いてみると小刻みに震える事もなくなる。
「良かった♪上手上手」と手を叩くと 母もパチパチと手を叩く。
目を見ると 涙が滲んでいる。
疲れて嫌になったか?それとも褒められるほど良くなって嬉しいのか?
今日の所は判断が付かない。

それから 同じフロアの方とお手玉や 小さなボールを使ってキャッチボール。始めは2人 それから3人 そして4人で…。
みんなで順番に廻してキャッチ。
飽きてきたら 無理をせず解散。

それから母とまた一回り。
其の頃居室隔離されていた人が起きてお食事なさった。
ドアが空いているので 手を振る。
母は「入ろうか?」といったが「未だ良くなっていないから また今度…」と手を振っただけ。
4日前には声をかけても瞬間目を開いても力なく直ぐ目を瞑っておられたのだから 快復の道を辿って居られるように見えた。
「また 歩けるように 力つけましょ」と職員が声をかけていた。
笑顔も見せてくれたのでホッと胸を撫で下ろした。

またソファーに戻って 今度は母とジャンケンポン。
「勝つぞぉ〜」という意気込みは消えているけれど 意識してグーパーチョキを出していると判る。
私が勝ったら 万歳ポーズ 負けたら 頭をペコリと下げる。
そういう動作を繰り返していたら 母自身「勝った負けた」が判るようになったみたいで 勝った時は表情を緩ませた。

足りないのは刺激…。
短い時間で現状維持が叶うとも思えないが それでもしないでいられない。

左肩の骨折と甘く見ていたけれど やはり姿勢を保つ事が怪しくなって来たところでの骨折は下り坂に加速をかけたようだ。
どうであっても 骨折は筋力低下を避けれない…。
気持ちの何処かで「もう無駄な努力か…」と言う思いが湧いてくる。
でもでも 未だ母には堪えて貰いたい。
「が・ん・ば・れ」と自分と母に言い聞かせる。

おやつの時間となり ソファーでゆっくり楽しんで貰う。
その後新聞を渡し 目の前には絵本を置いてそろりと施設を後にした。

自分の風邪の診察とお薬を貰うのに受付に間に合うかのぎりぎりの時間。

一昨日の母の涙のお礼…職員に届いたのだなぁ〜。
私から御願いを申し出る事はしていない。
母の心を汲み上げてくださった職員の配慮に深く感謝。

そう…職員から聞かれた事がある。
「他のフロアでは 次々感染したのに 訪問者の多いこのフロアに感染者が少ないって どう言う訳でしょうね」と。
「日々の変化が刺激となって 楽しみがあってストレスが少ないという事ではないでしょうかしら?」と答えた。
「他のフロアは お話が出来るから楽しそうですよ」
「でも 同じ風が吹いているだけですよね」

私にもよく判らないけれど…一番出入りがある部屋の方が変化に飛んでいて個々に合った話しかけが行われているんだと思うのだが…。
未だ広がっていないだけかもしれないからなんとも言えない。

それにしても この危機に職員が広がりを防ぐため また入所者の快復のために懸命に努力なさって居られる事に感謝。
入所者との接触もかなり配慮されるようになった。
原因追求も大事だけれど 対応の機敏さは必要だろう。


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