母のタイムスリップ日記
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2005年12月10日(土) 雨のち晴れ


母の所に出かけた。
前回の面会から2日空いた。
母はソファーに座っていたが 体が左に傾いたままで 私の顔を見るとポロポロ涙を零した。
「体を起してみてよ」と声をかけた。
気持ちが揺れているので 直ぐには通じなくて 何回か言ったらようやく右手を付いて 身体を起こす事が出来た。
「偉いね」と言うとまた涙を零す。一緒に鼻水まで…。
幾度鼻をかんであげても 涙と一緒に鼻水がでた。

「さびしかったのだねぇ〜」というと頷いた。
「ごめんね」と言うとまた涙を零した。

私が動く度に視線で追ってくるのが判る。
トイレに誘導したら シャーと出た。
「お〜凄いな 我慢していたんだ」と言うとまた涙を零した。

職員が言うのには この2日間 玄関の方に人影が動く度に視線を移し 時には私が来たと思い 立ち上がって歩いて行ったそうだ。

いろんな事が判らなくなっているように見えても 感覚は研ぎ澄まされているように見える。
時間の流れや季節の流れは 殆ど判らないと思っていたのだが 最近 言葉に出来ないだけで ある程度理解できているのではないかと感じる。
連続した時間では考えられなくとも 途切れがちでもある程度繋がった時間を感知しているようだ。

また「ここが 私の泊まっている所」という言い方もしていた。
ホールが怖いとも言っていた。
「じゃ 自分のお部屋にいればいいでしょ」と言うと困った顔をした。
おそらく 部屋に1人も辛いのだろう。。。

今日は 通院した。
骨折の経過観察と少し早めの定期通院である。
肩だけ上げたり下ろしたり…は始めた方が良いというお許しがでた。
血圧は高め。
これは 骨折の痛みがあるので ストレスになっているだろうと想像している。それと水分摂取が少ないだろう。
時折 機嫌が悪くなり飲むように言っても拒否も強く出る。
そこを強行に突破する事は 施設の対応では無理で…。
其の分本来 こちらが面会を多くすべきなのだが こちらも歯科通院や年末に向けて時間が取りにくくなっている。

「ごめんね」と謝ると首を横に振ってくれる母である。
それだけで こちらも救われている。

最初のうちは 言葉もかみ合わなくて「役所」とか意味の全くわからない言葉を放っていたのだが…。少しずつ 関連性のある言葉が断片的に出てきて
医師の顔をみたら 表情も明るくなってきた。
医師もいろいろ話しかけてくださった。

母の通院に合わせて 娘と私はインフルエンザの予防接種を受けた。

お店でお茶を飲もうとしたら「私は入らない」とはっきり言った。
どういう根拠があって言ったのかは 判らない。
人前で介助を受けながら飲むのは嫌だったかもしれない。
若しくは お金がないと思っての事だったかも知れない。
ひょっとしたらレジに並んでいた外国の人のせいだったかもしれない。

何れにしても 水分摂取は必須で 娘が注文してテイクアウトにして貰う。
その間 お店のゆったりとした階段を使って リハビリ。
右手で手すりを持ち 左側を支えてゆっくりと階段を下りてみた。
両方の足を揃えながら下りるように言うのだが 交互に降りたがる。
それも早いので バランスを崩しそうになった。
母もヒヤッとしたようで それからは両足をそろえて下りていた。
ちゃんと学習できているなと驚いた。

車に乗って ケーキを食べコーヒーを飲む。
本来 砂糖の入っていないコーヒーは好きじゃないのに 今日は「美味しい」と飲んでいた。
アイスコーヒーなのだから かなり苦い。
水分がよほど欲しかったのか それとも冷たい物が欲しかったのか…。
寒いと思って着こんで貰ったので暑かったのかも知れない。

施設に着く頃には笑顔も戻り 言葉もきちんとしたお話も出来た。
車を降りて空を仰ぐと半月の月が頭の上にあった。
「お月様よ」というと首をグッと上げて「ほんとだ」と見上げていた。
「夕焼けもホラ」というと「あ そうだねぇ〜」と会話もかみ合って来た。

未だ バスのステップを上がるには無理がありそうだ。
あと暫くしたら デパートに出向いて階段を使ってリハビリしてみようっと。


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