母のタイムスリップ日記
DiaryINDEX|past|will
| 2005年10月30日(日) |
聞くんじゃなかった♪ |
ふた荷物を抱えて 母の所に向かった。 ソファーに座って バーバパパの絵本を見ていた。 文字を読んでいるように見えた。 傍に行くと「これ 何してんだか 判らない」と私に聞いてきた。 「花にお水あげている所だね」と言うと「?」と理解できていない様子。 「お花は 何処?」と聞くと指差した。 「ホラ 如雨露で水を差しているでしょ」と言うと「?」 「これ 如雨露だと思うよ」「あほんとだ」 「ね お花に水…」「うん」 「猫が屋根の上にいるね」「如雨露」 「いや 如雨露でなくて 猫」「猫」と言いながら 別の木をさしていた。 表情は良いのだが 絵本を見てもいつも理解できているとは限らなくて…。 その時その時で見える場面 読める文字が違って来ているのだろうなぁ〜。
居室に移ってトイレ誘導。排尿成功。。 「手を洗おうね」と声をかけると 手を水で流すだけ 洗う動作が出来ない。やはり3日の空白かぁ〜と思う。 気を取り直して「手を洗いましょうね」と言うとようやくゴシゴシいつものように洗い始め ホッとした。
ホールでは 昼食の支度が始まったようなので テーブルに移動。 今日は クリームシチューとサンドイッチ デザートはゼリーで甘い紅茶もついていた。 サンドイッチは 手で食べ始めたので「良かった」と思ったが 一口運んだら 後はなかなか進まない。 食べたくないと言う様子は感じられない。ニコニコしている。 サンドイッチを口に運んであげたら ちゃんと噛み飲み込む。 でも 自力での次の一口と言う訳には行かない。
「シチューが温かい内にたべましょ」とシチューを口に運ぶ。 口はちゃんと開けて 食べるのだけれど 自力では難しい。 母が食べるリズムを取るまで介助を続けた。 6割がた介助である。 またサンドイッチに戻って 次々介助。 職員が「私達がやると途端に不機嫌になったりするのです。はなさんのようにはできないなぁ〜」と言う。 確かに 私がやっていてもそういう時はあるので 理解できた。 でも おそらく やり方とその時に機嫌を損ねないやり方があると思う。 一度拒否されると諦めてしまうけれど 気を散らしたり 別のやり方 声掛けで 何とか気力を戻せると思う。 これは 他の入所者も同じだと思う。
「訪問している時に 食事介助となり『また 地獄の時間になりましたね』と声をかけるという事が 幾度も有りましたよ」と話すと「そうね 食べたくない時に食事って言われたら ほんとに嫌ですよね。これは 体験しないとわからないですからね」と言われた。
母の場合は食べたくない状況でもないのだろうが…今日の昼食は全般的に皆さん 特に食が進むと言う訳でもないようだった。
ホールでワイワイ食べていたら「五月蝿い」と言う声が 居室で食べている人から怒られてしまった。 こういうところが集団生活の難しさである。 職員も私も 開かれたドアから「ごめんね」「美味しいね」とせっせと声掛けをした。「半分はやきもちもある…」と言う職員の言葉に「そうだね」と思った。
後は お茶だけで終わりと言う所まで来た時 母が突然飲むのを拒否した。 だましだまし 半分まで飲んで貰ったが かなりご機嫌が悪い。 「これは 腹痛ないしトイレ」と思い お茶を居室に運んでトイレ誘導。 ポツンと落ちて…その後いきむように言っても 伝わらない。 お腹が痛いと言うそれだけに囚われてしまっている。 在宅の頃もこれで 激しく知恵比べの闘いが繰り広げられた。 あの頃は プライドを傷つけないように配慮すれば まだ話しは理解できて 頑張ってくれた。 でも 今は 私の言葉を何処まで理解できるか…。 今の痛みに耐えられない…それだけしか考えられない母だ。 「単語だけ」に近い会話なのだけれど…それが伝わらないもどかしい状態。
「じゃ もう止めようね」とこちらが引き下がり立ち上がって貰って拭こうとした時 もう肛門まで下りてきている状態と判り「ごめん もう1回頑張ってみよう」と座らせかけた時「汚いのが…」と母が言った。 そういう事である。 幸い便器の上だったので何処も汚さずに済んだ。 「良かったね」と母の頭や顔を撫でた。母はきょとんとしていた。
「お散歩行く?」と声をかけると「行く」と言う。 排泄の言葉がけでは いくら話しかけても理解できない状態だったのに…。 お散歩と言う言葉は ストンと頭に入る…ほんとに不思議な感覚だ。
着替えをしてお散歩に出た。 買い物があった。 母のトレパンと目薬。物貰いが出来ていた。職員にも確認していただく。 職員は「売薬で物貰い用の目薬が出ている」と教えてくれたのでそれを購入する事にしたのだった。
でも でも…。 お店を回って買い物して トレパンを買って ついでに特売のものまで買って「さて 後なんだっけ?」と思っても「後はないなぁ」と言う結論に達してしまう。「未だあったような…」と思い返してもさっぱり思いつかない。 目薬を買ってないと気が付いたのは 施設に戻ってからだった。 情けない気分となった。 職員に告げると「使い残しがあると思うので それ使っていいですか?」と聞かれお願いする事にした。
家では夕方から仕事に出る夫 お昼を飛ばしてしまっている。娘は家にいるもののこちらは 私の頼みごとのため作業中。。。 日の暮れる少し前の道を急いで帰宅。 夫は既に家を出ており 娘と二人遅い昼食。
洗濯物を片付けながらいると…。 「洗濯するの嫌い 干すのも嫌い でも 畳むのは好き…」と平然と言う娘。「えっええっ?」と絶句。 そんな事知らなかった。全自動洗濯機を購入するって決めたのあんたじゃなかった?畳むのは好きって言うけれど いつも自分のしか畳んでいないよねぇ〜。そそんなぁ〜。あなたの洗濯物 毎日してる母って…!!! 「あ”〜聞くんじゃなかったよ!」
夕方 弟に電話。 未だ 何も進展してないようだった。 弟の話は お金だった。 そこには 煩雑にいろんな事が絡み合って居り その仲介役を頼んで来たのかと思ったりした。 もう どういう義理があるにせよ こちらからお金を貸すという事はしない。それだけは決めているので迷う事はない。 今日の話し振りから やはり我が家のお財布を当てにしていたと言う感触があった。 チョコチョコと話しているうちに 弟達の収入が我が家より10万円以上多いと判った。「あんたの所 それだけで 生活している訳じゃないでしょ」と言われ 唖然としてしまった。 母のお金を借り入れて行き 母の施設利用の不足分 医療費 衣料品嗜好品美容院代をこちらが負担した上で 家族がつつましく暮らしているのだ…。 相続も一切していない。 弟達はそれぞれの土地を譲り受けているのだ。
返すと言って母のお金を借りてから 一年以上 全く返済なし。。。 こちらも一度「返済して…」と言ったきりだが…大変だろうと思い 催促もしてなかった。でも 家より収入が多く「そんなので 生活無理でしょ」って…。
怒りより先に 情けなくなった。 親は お金にだらしなくなかったし「金銭よりも心。人に迷惑をかけないで…」と言っていた。
「あ”〜聞くんじゃなかった!」 「何とかなるさ♪」と節約を楽しみながら過ごしていたのにぃ〜。
これは 絶対夫には言えない。
聞かなかった事にしよう…。聞かなかった事にする。 あちらは あちら。 こちらは マイペース。今後も節約生活 楽しみながら行きましょっと♪
|