母のタイムスリップ日記
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2005年08月24日(水) 輝いた瞳


 リハビリの日である。
早めに出かけた。
昼食の済んだ施設は「ふぉわ〜ん」としていた。
車椅子で眠ってしまっている人 ソファーに座っている人 残りの物を召し上がっている人 母は いつものごとくテーブルを手で拭いていた。
職員は 排泄介助をなさっていた。

母に声をかけると「来たの?」とニコニコ笑顔。機嫌はよろしい様子。
きっと 今朝か昨日 便通が有ったのだろうと思った。

「立って」とゼスチャーをすると「それは 何だ?」と聞いてきた。
「立ってお部屋に行こう♪」と声を掛け直した。
椅子を下げて自力で立ち上がる。割りに軽く立ち上がった。
話が通じる日なんだなと理解した。

トイレ誘導 既に濡れてしまっていたので 清拭して替えた。
「手を洗ってね」と言うと洗面台の前に立ち 手を洗い始めた。
最近の母は 手を洗う時腕のしみを落すように「此処が…」と言いながら洗い始める。しみは水では落ちないけれど…でも懸命に洗うのだから 止める様な事はしないようにしている。
綺麗になったところでタオルを渡す。
この所 自力で手を拭かない。タオルを渡すと習慣のように拭き始める。
ちょっとした介助の仕方で できる事もあるんだとつくづく思う。
此処で「手を拭いてね♪」と言う言葉を添えると 聴こえの悪い日は 洗面台や椅子を拭き始める。
声を掛けるか否かは その時々の判断で変えている。

その後 歯磨き。
先に口を濯いで貰う。それから入れ歯を取り出して 入れ歯はこちらで磨き母の持ち前の僅かばかりの歯は自力で磨いてもらう。
ほんとは3食ごとに磨くのが良いのだけれど…。
そして 洗面。
石鹸をちょっと手のひらに付けて「顔を洗おうね」と言葉とゼスチャーで伝える。自力で顔を磨き 水で洗い流す。
水を救えない時は 掌に水を少し運んであげるようにしている。
そうする事で 自分で水を掬い上げ洗えるようになるから。。。

おそらく傍に付いていなかったら 自力の動作は出来ず 中途半端な儘どこかに移動してしまうだろう。。。
 
タオルを渡すと 顔をしっかり拭き鏡を見て 目をパチクリしていた。
「何だか 片方が眠そうな目をしているなぁ〜」と呟いていた。
見た限りでは そんなふうには見えないが 母自身がそう感じるのだろう。

それから 椅子に座って足の上げ下ろし。
言葉で言っても通じないので…向き合って こちらが動作を始めると母も必ず真似をする。
「疲れるなぁ〜」と母は言う。
「大変だねぇ〜」と返事すると「いやぁ〜そんな事もないよ…」
グーパーを交互に出す動作は 喜んでする。
これは 頭の体操でもある。
時々 両手がグーになったりパーになったりだが でも母自身が私の動作を見ながら極力交互に出そうとしているのが判る。
がんばっているんだなぁ〜と思う。

更に欲張って 窓枠に掴まって 足を後ろに上げてもらう。
これが「冗談でしょ」と言うくらい上がらない。
動作に 軽く手を添えてあげると少しずつ挙がるようになり 更に「もっとだね」と加減している。
これも 言葉では理解できないので 動作のまねである。

大分がんばったので 横になって療法士さんを待とうとした時 療法士さんが見えた。
いつも横になる時「背中が痛い」と言うのだが 今日は言わなかった。
少しのストレッチで改善できたのだと思う。

療法士さんは「立っての動作だと危険ですよ。横になったままでも 足や膝は反らせる事が出来ますよ…」とやり方を示してくださった。
母の動きが鈍くなったら それもチャレンジしてみよう。
でも 今は注意深く 立って動作してもらおうと思っている。

療法士さんが言うのには 高齢になると大概 身体や間接を反らす事は難しくなってくると言う。体を丸める事は 割りに出来るという。
動かさないと硬縮してしまい 丸める事も出来なくなるという事だった。
介護仲間から「硬縮が始まると寝返り等も出来なくなってきてジョクも生じるから…」と寝たきりになってもリハを実行されていたのを見せて頂いていたので その通りなんだなと思った。

リハが終わる頃には 寝入ってしまった母。
暫くそのままにしておいた。

ホールで他の入所者とお話をしていた。
「おかちゃん」と言う声がしたので 居室に入る。
勘が当たっていれば トイレだ。
起きて貰い トイレ誘導。やっぱりだった。トイレで排尿成功。

それから 昨日畑で収穫した赤紫蘇で作った紫蘇ジュースとミニトマトとそれにびわゼリーをおやつに食べて貰った。
今日は むくみも少なかった。
ミニトマトは 皮を剥かなかったので 母は食べにくそうだった。
でも噛む動作をして見せると かみだした。
噛み切れない皮だけは ちゃんと口から出していた。

「外に出てみる?」と聞くと「外に行く」と言うので散歩に出た。
1キロちょっと歩いて休憩した時「疲れない」と聞いてみた。
「まだ 大丈夫」と私の顔を見て言った。
この反応は 歩けば私が喜ぶのではないか…と探るような目だった。
休息を長めに取り また歩き始めた。
「此処が判る?」と聞くと「判る」と言う。
「どっちに行く?」聞くと施設の建物をチラッと見てから 遠回りのコースに歩き始めた。
「がんばる気持ち」を大切にし少し遠回りをした。
「背中が丸くなってきた」と自分で言った。
ひょっとして療法士さんとの会話頭に残っていたのかな?
「○×(ふるさと)に行くためには 歩けるようにならないとねぇ〜」と話すと 母の瞳が輝いた。「うん 行く」と。。。

自ら ふるさとの事は言わなくなっているけれど やっぱり気持ちはふるさとに強い憧憬の念を抱いているのだなぁ〜。
やっぱり ふるさと行きは実現できるように考えるべきだと思った。






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