母のタイムスリップ日記
DiaryINDEX|past|will
| 2005年06月02日(木) |
ふわぁ〜としている人…♪ 絶句! |
今日はリハ後介護保険更新の認定調査となる。 少し 早やめに施設に向かう。
食事はほぼ終わっていたので居室に誘導。 「立ってくださいな」「?」動かない母。 「スタンダップ!」「…」「スタンダップ」ようやく席を立った。 英語の方が通じる。。。ほほう〜。
「トイレに入りましょう」「あなたが入りなさい」 「ふう〜ん」とキョロキョロする。 ズボンを下げると手すりに掴まりながらゆっくり腰を下ろす母。 トイレに放置して着替えをそろえた。 シャーと音がした。どうやら成功だ。 トイレで着替えをした。狭いけれどズボンの履き替えはついでいに出来て楽チンだ。上着も着替えた。
洗面台で着ていたものを洗濯。更に汚れたままの他人様のカーデガンも洗濯。汚れは取れないかと思ったが水洗いしただけで綺麗になった。 それでも 石鹸で更に洗ったけれど…。 脱水は施設のを使わせて戴く。
更に母の歯磨きと洗面。 一応 朝の仕事はこれで終了。 そこに療法士さんが見えてリハが始まった。 血圧も良好で少し浮腫みがあるが 母の表情は明るい。 腹痛がないだろう。。 療法士さんと話しこむと母は寝転がった儘 大きく伸びをして「気持ちいいなぁ〜」と言う。調子は良いのだろう。。。
少しウトッとした頃 リハは終了。
暫くすると 認定調査が始まった。 「そちらの利用者(N)さんは お変わりなくお元気ですか?」 「あ〜 訪問してくださっていたんですね。この所 落ち着いているようです。あ、いや ヘルパーさんが 凄い我慢をなさっているかもしれませんが…」「落ち着いてお過ごしで良かったです」 以前訪問していた気難しい方の事である。
書類に沿って 調査が始まった。 しかし いつものことながら「?」と思われる質問が多い。 一例は「食事は1人で出来ますか?」と。 母は 1人で箸を持って食べられる。だから ここは「はい できます」となる。しかし 途中で飽きてしまって先に進まなくなる。 食べ飽きた頃 傍に食べ物以外のものがあるとそれも食べ物と思って口に入れてしまう。この部分をきちんと伝えないと「出来る」になってしまう。
「時間がかかりますねぇ〜」と言うと「入れ歯は合っていますか?」と聞かれた。これも難しい。「きちんと合ってないけれど 食べる事ができないと言うほどではない。認知症特有の食べる事に集中出来なくなるから時に介助していかないと延々とした食事となってしまう。
「訴えは出来ますか?」 これも 傍に人がいて母の言葉を受け止めれば「訴える事はできる」だ。 しかし 誰も傍にいなかったら もう訴えたい事は記憶の彼方に消え去るのである。これを どう伝えるだろう。。。
聞かれる度に 特記事項を付け加える。
そして こちらも今更なのだが こういった事は初期にも見られた。 しかし 決定的に違うのは 初期の場合は感情の揺れでそういった症状が出ていたが 今はその頃とは全く違うのだ。 その違いを説明するのに「認知症の最終ステージに来ていると思っています」と伝えた。
調査する方は ある程度はわかっていると思う。 でも でも…と言う側面は残る。
それは 会話の中から微妙に伝わってくる。 これが ケアマネの差なんだろうと思う。
1時間近い調査の最後に母に向けて質問。 「○○さん(苗字のみ) お名前を教えてください」 「あっちの方がねぇ〜」と母。
「今日は有難うございました」「いえいえ よくいらしてくださいました。有難うございます」これが最後の挨拶。 これは ちゃんと合っているんですよ♪ こんな具合だった。
昼食を施設で摂った後 母とお出かけした。 「おかちゃんの所に行きたいと思うけれど 行って良いのか判らなくなってね」と言う。 この「おかちゃん」は 明らかに私を指して言う「おかちゃん」だ。 同じ「おかちゃん」でも表現しようもないほど苦境に立っている時の「おかちゃん」は亡くなった母をさしている。 「おかちゃん」にも違いがある。 「家」も同様に 時として私の家であり、生家であり 施設である。 従妹の名前で私を呼ぶ事はすっかり少なくなってきた。 過去の記憶も薄れつつあるのが実情である。
母と紫陽花を見に行こうと思っていた。 ただ 展示会場に出向いて手直しすべき所がある。 それを先にするか後にするか迷った。 雨が降り出したので 濡れて困る物を優先し展示会場に出向く。 私は昼食が未だなのでついでに昼食を摂った。 当然 母もお相伴。 母の食べている間にチョコチョコと手直しを済ませた。
今度こそ 目的地に向かってゴー。。
電車に揺られる頃には 母の心もウキウキしているのが見て取れた。 紫陽花は 未だ咲きはじめたばかりで早すぎた。 しかし 茶室では茶会を開いていた。 皆さん 着物姿で応対してくださる。 作法に従って流れるような所作である。
我儘を言って縁側でお茶をご馳走になった。 今の母に茶室の正座はきつい。 長く歩かなければ大丈夫と思うが 今日はバランス感覚が悪い。
一服目を口にした時「まずい」とはっきり言った。 かき消すように「美味しいね」と重ねた。 2.3度口に運ぶうちに慣れた様でゆっくりと飲んでいた。 茶菓子もいただく。 二服目を勧められる。 そこで更に茶菓子が追加。「トルコ土産のお菓子を頂戴しましたので召し上がってください」と。母は丁寧に御辞儀を返して「有難うございます」 「クリの味がする」と言う。 食べてみるとサンザシに胡桃が入ったようなお菓子だった。 トルコでもサンザシを食べるのか…と思う。 二服目は母も調子を取り戻して両手で器を持ち戴いていた。 やはり丁寧な応対であれば 感覚を取り戻すのだなぁ〜。 連れて来て良かった!
お庭をチョコチョコ撮影させて戴き お礼を言って立ち上がろうとしたら「今日は 足元のお悪い中 おいで頂き有難うございました」と亭主がご挨拶にみえた。「結構なお手前を頂戴し有難うございました」と述べて去ろうとした時… 「ふわぁ〜としている人だねぇ〜」と母が言った。 ご亭主様がくるりと背を向けて奥に下がられる時…。 「もう少しで ぱちーんとなる」と更に付け加えた。。
こりゃ…聴こえていなければ良いのだが…。 母の足元に目を配りながら慌てて引き上げた。
想像できますか? かなりふくよかな方で 帯がはじけんばかり…だったのです。
母は思った事を 其の儘口にしてしまうようになっています。 汚い言葉で話した訳ではないのですが…。 しばし絶句 後 冷や汗が出ました。
|