母のタイムスリップ日記
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2004年07月15日(木) 命を託する契約


 この2.3日 考えさせられる事が多い。

施設も病院も契約書を交わすけれど…この契約書って誰のために必要なものだろう…。命を託するものが契約不履行で訴えも起こす時があるだろうけれど…。実際のところ 情報の開示が曖昧で まして専門外の者にとって契約そのものを真に理解できているだろうか?

病人が執拗に聞いて行くと…「手術すれば治ります。悪い所を切り取ってしまうのですから…」という話になる。
術後「こんな調子が悪くて…ちょっと困った事が…どうしたらよいでしょう?」と聞いても「そんな筈はありません。治っています」とあしらわれてしまう事が多い。

術後は生活の質が落ちる。
患者は 何と良い方法が無いものかと考える。
医療のアフターフォローって 再発だけではなくて そういった生活の質の低下に対してのアドバイスが必須じゃないのかなぁ〜。

これは、病院だけでなく施設も同じだと思う。
入所してからのアフターフォローは ご家族の協力が必要ですと言うくらいの施設のほうが安心かなと思ったりする。

家族は 契約書なんか交さないで介護や看護をする。
もしも 母と私の間に契約書があったら 私は契約不履行で訴えられるかな?

冗談はさて置いて…

手術を受けた友人の電話を受けて 改めて考えさせられたのだった。

母の話。
「お母さん 元気だねぇ〜」と言う言葉をこの所頻繁に受ける。
「お蔭様で…」と返事している。
ある人が「入れ歯でも何でも 歯があるって事は活力の元だね。お母様 歯があるんでしょ」と言った。
「そうか 入れ歯の手入れ 早めの処置…大切なんだな」と思い知る。

ある人は「お母様 この間踊っていらして…その元気さにビックリした」と言われた。施設のみんなは この所気力を失っているように見える。
母の痴呆度は 他の入所者と比べても かなりのものなのだけれど…。
やっぱり 元気だ。
今日も家から施設に帰る道を駅まで歩いた。2キロ弱はあるが…普通の人とほぼ同じ速さで…。転倒が怖いから腕組みしてはいるけれど…。ほぼ自力歩行である。

忘れる事は天下逸品だけれど…。
見る力はあるし興味もある。
私のTシャツを見て 「友達の壁だぁ〜」と言った。
後ろの方のプリントを見て「そんなに いっぱい背負って 重たいねぇ」とも言った。
今日のTシャツは ユニクロのデザイナーTシャツと言う奴である。
前面は42人の人の顔がプリントされており 後にはその後ろ姿がやっぱり42人分プリントされているのである。

春先に買った物だけれど 今日初めて着用した。
母はそれを「下ろしたてだね」と言った。
自分の着る物すら定かでないのに…古い 新しいは判るのだ。

同じフロアの人が その話を聞いてから「面白いTシャツだね」と反応した。感じる力は 母のほうが早い。

施設を後にする時 同じフロアのご家族と駅までご一緒した。
少し遠い所から見えるその方は 今 元気の無いお母様を置いて帰るのがたまらなく辛い…と言われた。
「帰る時がねぇ〜」と。
その気持ちは 痛いほど判る。
良心の咎めと置いていく不安…。
母が脳出血を起こした時 いつもいつもその責めを感じていた。
父の病の時 故郷を後にしての車中での思い…。

「何か心配な事があったら 電話してください。出来る事はさせてもらうから…」と声をかけた。
私に出来る事は それくらいしかないのだ。









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