母のタイムスリップ日記
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2003年12月30日(火) 明日は12月31日明後日は?…

お掃除はエンドレス…。
昼食後の片付けを終えたのを機に 何とかなるさぁ〜と割り切って母の所に出向く。
施設ではAさんが頭髪をカットして貰っていた。若い職員で慣れないのだろう無残な虎刈り状態で悪戦苦闘していた。
お節介屋が性分な物で…ちょっとお手伝い。
うまいと言えるほどの腕では無いけれど、子供の頭髪は幼稚園まではずっとカットしていた。夫のもちょっと…。更には、床屋に行く気力すら無い父の頭髪を帰省の度にカットしていたので…多少は判る。
刈り方の要領を伝えながら くっきりと段が付いてしまった所に手を入れた。要領がわかれば、少しは楽に出来るだろう…。
他にも伸びきった方がいるのでどうしようと思ったけれど…職員の方が「やれる楽しみが見えてきました…」と言われたので その方にあった切り方を伝えてだけおいた。
何でもそうだけれど 初めは誰だってドキドキ物である。
でも、少し判れば、楽しめる…。職員の腕が上がれば入所者だってお金がかからなくて助かるだろう。

母を外に連れ出す。
母は「誰もいない所に…静かな所に…」とだけ言った。
どういう意味だったのか…推測だけれど「私だけに にかまって頂戴…」という事だったのかな?
歩きながら質問してみた。
「明日は、12月31日じゃね明後日は?」「32日…あれ おかしい。そんな日は無いねぇ」「…」
ここまで言っても「お正月」と言う言葉が出てこない事に愕然とした。
繰り返せば多少思い出す事もあるので
「明日は大晦日明後日はお正月」と繰り返し聞かせた。
「明日は大晦日」「へぇ〜大晦日かぁ〜」「明後日は?」「…」「お正月」
「明日は大晦日」「へぇ〜大晦日かぁ〜」「明後日は?」「…」「お正月」
こんな風に十数回繰り返して見たら…。
「あってはお正月」と言えるようになった。
おそらく理解したのではなく条件反射なのだろう…。
時間的な事をここまで忘れてしまったのだろうなぁ〜。
ほんとに当たり前の事で区切りなのだけれど…もうすでにこの辺りの事はわからないんだなぁ〜。反射的にいう事も出来ないんだなぁ〜。

それでも「お正月」と言う実態はわかるようで…。
「お正月に何食べたい?」と聞くと「お餅」と言った。
「納豆餅とあんころ餅とどっちがいい?」と聞くと「あんころ」と言った。
ついでに「お雑煮は?」と聞くと「お雑煮もおいしいねぇ〜」と返ってきた。食べ物に関しては まだ 言葉が返ってくるのだなぁ。

それでも「歩ける」「食べられる」「顔がわかる」「本が読める」「折り紙だって出来る」いいよ。それで充分である。

散歩から戻ったら鏡を見ながら「おかちゃんごめん」「おかちゃんごめんなさい」としきりに謝っている。
「どうしたの?」と聞くと「自分だけ 食べてきて…」と言っていたが、ほんとは判らない事を認識させすぎたかも知れないと反省する。
こちらの思いが強いとなぁ〜。
この辺りの兼ね合いが難しいなぁ〜。


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