母のタイムスリップ日記
DiaryINDEX|past|will
母を美容院に連れて出た。 入浴の形跡が無く 家でお風呂に入れてあげたかったのけれど時間に余裕が無くて家より近い美容院に出かけた方が良さそうだった。
母に「『おふろ』と『髪結いさん』とどっちがいいかかな?」と聞くと「うーん。わかんないよ」と言った。 でもニュアンス的にはお風呂だったのだが…どっちみち明日はリハで家に来るので美容院にしたのだった。
「お金がかかるねぇ〜」と言うので「大丈夫だよ」と言うと「そうかい」と素直。このごろは「お金がないから…」という事に拘らなくなったので助かる。病の進行なのだろうから哀しいのだけれど、介護する方からすれば面倒がないので楽である。
パーマをかけて一番困るのが パーマ液を付ける時。 「冷たい」「ひんやりする」と言い出す。 タオルで頭を巻いてビニールを被る時額からタオルが落ちてきそうに鬱陶しくなるのを嫌う。 今日もそうだった。 「何だか冷たいよ」と言い出した。「パーマ液つけてるからだよ」と言うと 「ざいごしゅ(在郷衆)だから…変なことばかり言ってごめんね」と美容師さんに謝っていた。懐かしい響きの言葉だった。 言われた方の美容師さんは 若いので「?」言葉の意味が判らない。 「田舎者で…という意味でね」と補足した。
暫く待っている間に水分補給とおやつを摂った。 それでも間が持たなくなり 頭に手をやるので手遊びをした。 いつもなら歌いながらやるのだけれど他にもお客様がいるので少し遠慮した。「右手をグー。左手をパー」これを交互に変えていく。 慣れてきたところでこれにチョキを加える。 言葉で言っても直ぐに理解できないので母と向かい合って「出来るかな?」とやってみせる。 すると母は、真似をする。 これが「向かい合っているから…」とちゃんと左右逆にできる時もある。 今日も向かい合っている事を意識してやっていた。 こういうところが 不思議である。痴呆なのに…。 チョキを入れ始めるとチョキにならずに人差し指1本に成ったりする。 今日の母は、その間違いにも気が付いてケタケタと笑った。 「あれっ」と言いながらまた始める。 その様子を見ていたオーナーも笑い出した。 それでも、めげないで楽しそうに続ける母。 母は、こういう遊びが好きである。 この遊び 脳を刺激してくれるだろうと…勝手に思っている。 他にも指を折っていく遊びもする。先に片方の親指を折って置いて後は順番に折っていくだけ。右手と左手と一本ずれて折っていく…。 これは グーパーチョキより難易度が高い。 それでも 十分笑いを取って楽しめる。 入浴中でも、トイレでも、布団の中でも、バスの中でも…困った時の手遊びである。
母と笑い転げているうちに パーマ液は定着して終了。 綺麗に仕上がった頭をみて「どうも有難うございました」とお礼を言っていた。
帰宅が遅れて施設の食事は終わってしまっていた。 どうやら今日は職員の忘年会らしい。それで、チョイ早めだったらしい。 知らなかったので 迷惑をかけてしまった。
|