母のタイムスリップ日記
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母の固有名詞が出なくなったのは もう数年前から始まっている。 けれど、今ほど頻度が高くなかった。
今日、家にいる時に長男から送られて来た「りんご」への礼状を母に書いてもらおうと思った。りんごを出して絵手紙にするつもりだった。 りんごをテーブルにおいて「これなあーに?」と聞くと「んーと。ここまで出ているけれど…」と言葉が出ない。「り・・」というと「りんご」と言えた。 どの位分かってるのだろう…という興味もでて6種類の果物をテーブルに並べてみた。 みかん、バナナ、りんご、ゆず、ラフランス、柿 ちゃんと、言えたのはバナナだけ。 一度全部確認作業をして、2種類くらい並べると何とか思い出して言えた。 種類が多くなると、似ている(みかん、ゆず)等に関らず言えなくなった。
以前は「分からない」「忘れてしまった」という事に気が付くと母は、とても不穏になり哀しそうな表情になった。 だから「忘れた」という事に気が付かないように配慮してきた。 でも今の母は、思い出すのもゲーム感覚で楽しめている。 「当たったぁ〜。外れたぁ〜」とニコニコであった。 忘れても辛くならない母を見ることは、嬉しくもあるけれど・・・・・・!
他にもある。 トイレに誘導しようと声をかけると… 「ちょっと、今 済ませてしまったみたいだなぁ〜」今の今まで向き合って過ごしていたのだが…。 「でも行ってみよう」と誘うと… 「うちのおしっこは、早すぎて、間に合わないんだなぁ〜」と笑った。 この会話で二人トイレで大笑い。 母も自分の表現のおかしさに気が付いているのだ。
母が辛く無いなら OKだ。あとは、こちらが受け止めるしかないだろう。
長男への礼状は、仕上がった。 一般的な「うまい」という視点では判断できないけれど…。 いつもながら、母の物を見つめる視点がすごいと感じた。 りんごを上の方から フカンで捉えているのだ。 このよさ、長男に分かってもらえるかな…?
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