母のタイムスリップ日記
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昨夜、娘の友人がお泊り。遅くまでゴソゴソしていた。 夫も今日は ゆっくり出。午前中は、家を出られなかった。 少しイライラとした。案内状を読み直すと午後にもあるとわかり 夫が出る時に車で施設まで送って貰った。
ギリギリの時間だったのでクリスチャンの入所者を連れて出る事は諦めた。
それでも、危うい時間で 駅に着いた時 諦めて家に直行しようと思った。 でも、バスに乗ってから考え直して途中下車。教会へと向かった。 全くいつもこんな具合に揺れてばかりである。
会は始まったばかり、いつものように一番後ろの席に座らせて貰った。 今日の会は 若い人を中心にした会なのか賛美歌はなくフォーク調の歌だった。母に理解できるかと心配だったけれど大丈夫らしく手でリズムを取っていた。
牧師のお話も時に聞こえない事があるので「どうだろう?」と母の様子を見ているとちゃんと聞き入っていた。 後半、牧師の親のお話の回想の部分で心打たれたらしく目を擦っていた。 ちゃんと判っていると感じた。
そういえば、さっきバスを降りた時「何処からきたんだっけ?」と聞くと 「お部屋から。みんな 来れないんだよね」と言っていた。 「外はどう?」と聞くと「お部屋は、みんな同じ顔だから…。嫌と言うわけではないのだけれど…」と言っていた。
教会を出た時「何処行ったの?」と聞いてみた。「んーと。教会。良かったよ」と言うのである。暫く歩いてもやっぱりちゃんと覚えていた。 母を見ていると「判ってんだか?」と思う事が多い。 でも、よく考えてみると言葉に出来ないだけで判っているんではないか?と感じるのである。
ダラダラ坂を上って階段3個分の高さの歩道橋を上る。 足も調子よい。速さは普通の人よりずっと遅いけれど でも一定の速度を保てる。ありがたい。
家でふるさとのお菓子を出してあげると「ほーっ。珍しいね。おいしいね」と食べる。これは 知り合いが送ってくれた物である。 お風呂にも入った。 風呂から上がり頭を乾かす時急いでいると立った儘ドライヤーをかける事もある。そんな時膝を少し曲げてくれる。頼んだわけでないのに…。
そして何も言わなくとも玄関に行き座る。 帰ろうとするのである。 行き先もぼんやり判っているようである。涙をためる時もある。 けれど けして「行きたくない」とは言わない。 今日、施設近くなった時、施設を見上げた。 わかっている風だった。
部屋に入った時「振り返らない」「振り返らない」と言った。 「どうして?」と聞くと「忘れられるから…」と言った。
つうんとした。思いを口に出来ないけれど考えている事が伝わって来る。
夕食が始まったのを見て 帰路についた。 施設での生活をちゃんと受容しているのではないか…。そう思った。
でも施設に着いた時「教会に行った?」と聞くと「行ってないよ」と記憶は完全に消えていたのだけれど…。
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