2016年04月27日(水) |
中山祐次郎『幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと』★★★☆☆ |
こころにのこる一冊でした。
メモ。
「死を想え。 死を想うことで今生きていることを実感し、喜び、自身の生き方を今一度考えよ」(p12)
「この、こころからの自分の本音に従って生きることができたなら。 もし少しでもそうできてなら、ほんの少し、最期のときの無念が減るのではないか。」(p13)
「末期の患者さんはよく私にこんなことをおっしゃいます。 『先生、最後に一日だけ家に帰って、荷物の整理がしたいんだ』」(p51)
「さんざん悩んだあげく、今私はこう考えます。 医学の目的とは、『いのちを延ばす』ことではなく、『人を幸せにする』ことであると。」(p106)
「現実問題として仕事や子育てをしながらの看病であれば、その瞬間に立ち会えないことは珍しくありません。 むしろ、お元気なときにどれほど心を尽くし、言葉を尽くし想いを尽くして大切な人と触れ合ったか。 その方がはるかに重要なことではないかと、私は思っています。」(p158)
「収容所は、文字通り『すべて』を奪いました。持ち物も、家族も、あらゆる権利も、名前でさえ。 そんななかで、ひとつだけ奪えないものがあった、とフランクルは言っています。それは、与えられた状況でいかにふるまうかという、『精神の自由』でした。」(p183)
茨木のりこさんが生前に書かれた死亡通知のお手紙。 「『あの人も逝ったか』と一瞬、たったの一瞬思い出して下さればそれで十分でございます。あなたさまから頂いた長年にわたるあたたかなおつきあいは、見えざる宝石のように、私の胸にしまわれ、光芒を放ち、私の人生をどれほど豊かにしてくださいましたことか・・・・。 深い感謝を捧げつつ、お別れの言葉に代えさせて頂きます。
ありがとうございました。」(p198-199)
「私たちは、大切な人のために、大切な人をより大切にし慈しむために、『幸せに死』んでいかなければならないのです。」(p206)
「幸せのハードルを、自分で動かす」(p208)
「みんな、きっと知っているのです。 幸せとは、大きな仕事を成し遂げたときでも、運命的な出会いをしたときでもなく、ある日の日常のなんでもない生活の中にそっと隠れているということを。」(p216)
「本当に、いつ死んでも、後悔するような生き方がしたいのです。」(p235)
中山祐次郎『幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと』
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