2016年04月26日(火) |
住野よる『君の膵臓をたべたい』★★★☆☆ |
あまりリアリティはないけれど、よくできたお話だな、と思いました。 ラストにはちょっとびっくり。
「気づく。 全ての人間が、いつか死ぬようになんて見えないってことに。僕も、犯人に殺された人も、彼女も、昨日生きていた。死ぬ素振りなんて見せずに生きていた。」(p66-67)
生きるというのは。 「誰かを認める、誰かを好きになる、誰かを嫌いになる、誰かと一緒にいてたのしい、誰かと一緒にいたら鬱陶しい、誰かと手を繋ぐ、誰かとハグをする、誰かとすれ違う。それが、生きる。(略) 私の心があるのは、皆がいるから。私の体があるのは、皆が触ってくれるから。そうして形成された私は、今、生きてる。まだ、ここに生きてる。だから人が生きてることには意味があるんだよ。自分で選んで、君も私も、今ここで生きてるみたいに」(p192-193)
「何度も、そうすることを選んだ。 違う選択もできたはずなのに、僕は紛れもない僕自身の意思で選び、ここにいるんだ。以前とは違う僕として、ここにいる。」(p215)
住野よる『君の膵臓をたべたい』
住野よる『君の膵臓をたべたい』
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