2014年12月17日(水) |
岸見一郎『嫌われる勇気 』★★★★☆ |
岸見一郎『嫌われる勇気 』
メモ。
「そうやって『もしも何々だったら』と可能性のなかに生きているうちは、変わることなどできません。なぜなら、あなたは変わらない自分への言い訳として『もしもYのような人間になれたら』といっているのです。」(p35)
「短所ばかりが目についてしまうのは、あなたが『自分を好きにならないでおこう』と、決心しているからです。」(p63)
可能性の中に生きる。そうではない選択をするかどうかは、自分次第。
「問題は、その身長についてわたしがどのような意味づけをほどこすか、どのような価値を与えるか、なのです。」(p76)
「われわれを苦しめる劣等感は『客観的な事実』ではなく、『主観的な解釈』なのだと?」(p76)
見かけの因果律。 「本来はなんの因果関係もないところに、あたかも重大な因果関係があるかのように自らを説明し、納得させてしまう、と。」(p82)
「健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、『理想の自分』との比較から生まれるものです。」(p92)
怒りについて。 「怒ってはいけない、ではなく『怒りという道具に頼る必要がない』のです。」(p106)
「誤りを認めること、謝罪の言葉を述べること、権力争いから降りること、これらはいずれも『負け』ではありません。」(p108)
「アドラーは、さまざまな口実を設けて人生のタスクを回避しようとする事態を指して、『人生の嘘』と呼びました。」(p120)
「アドラー心理学は『所有の心理学』ではなく、『使用の心理学』です。」(p122)
「なにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うか」(p122)
「他者の期待など、満たす必要はないのです。」(p135)
「他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになります。」(p135)
「われわれは『これは誰の問題なのか?』という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。」(p140)
そして 「他者の課題には踏み込まない。それだけです。」(p140)
「あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むことーあるいは自分の課題に土足で踏み込まれることーによって引き起こされます。」(p140)
「誰の課題かを見分ける方法はシンプルです。『その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?』を考えてください。」(p141)
「自分を変えることができるのは、自分しかいません。」(p143)
「自らの生について、あなたにできるのは『自分の信じる最善の道を選ぶこと』、それだけです。一方で、その選択について他者がどのような評価を下すのか。これは他者の課題であって、あなたにはどうにもできない話です。」(p147)
「アドラーはいいます。『困難に直面することを教えられなかった子どもたちは、あらゆる困難を避けようとするだろう』と。」(P154) 「他者からの承認を選ぶのか、それとも承認なき自由の道を選ぶのか。大切な問題です」(p158)
「他者の期待を満たすように生きること、そして自分の人生を他人任せにすること、これは、自分に嘘をつき、周囲の人々に対しても嘘をつき続ける生き方なのです。」(p159)
「他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない。つまり、自由になれないのです。」(p163)
「幸せになる勇気には、『嫌われる勇気』も含まれます。その勇気を持ちえたとき、あなたの対人関係は一気に軽いものへと変わるでしょう。」(p165)
「共同体感覚とは、幸福なる対人関係のあり方を考える、もっとも重要な指標なのです。」(p181)
わたしとあなたを起点とし、 「自己への執着(self interest)を、他者への関心(social interest)に切り替えていくのです。」(p181)
「『人生のタスク』に立ち向かうことです。つまり、仕事、交友、愛という対人関係のタスクを回避することなく、自ら足を踏み出していく。」(p188)
「『この人はわたしになにを与えてくれるのか?』ではなく、『わたしはこの人になにを与えられるか?』を考えねばならない。それが共同体へのコミットです。」(p188)
「所属感とは、生まれながらに与えられるものではなく、自らの手で獲得していくものなのです。」(p188)
「人は感謝の言葉を聞いたとき、自らが他者に貢献できたことを知ります。」(p205)
「『人は、自分には価値があると思えたときにだけ、勇気を持てる』」(p205) それは自らの主観で。
肯定的なあきらめ。 「課題の分離もそうですが、『変えられるもの』と『変えられないもの』を見極めるのです。」(p228) ニーバーの祈り。
「他者貢献とは、『わたし』を捨てて誰かに尽くすことではなく、むしろ『わたし』の価値を実感するためにこそ、なされるものなのです。」(p238)
「幸福とは、貢献感である。」(p253)
「アドラー心理学が大切にしているのが、『普通であることの勇気』という言葉です。」(p260)
「普通であることは、無能なのではありません。わざわざ自らの優越性を誇示する必要などないのです。」(p261)
人生は線ではなく、点の連続と考える。
「線のように映る生は点の連続であり、すなわち人生とは、連続する刹那なのです。」(p264) 「今」の連続。
「われわれは『いま、ここ』にしか生きることができない。われわれの生とは、刹那のなかにしか存在しないのです。」(p265)
「計画的な人生など、それが必要か不必要かという以前に、不可能なのです。」(p265)
「人生とは、いまこの瞬間をくるくるとダンスするように生きる、連続する刹那なのです。」(p266)
「あなたのおっしゃる、目的地に到達せんとする人生は『キーネーシス的(動的)な人生』ということができます。それに対して、わたしの語るダンスを踊るような人生は『エネルゲイア的(現実活動態的)な人生』といえるでしょう。」(p267)
「われわれの人生もまったく同じです。人生全体にうすらぼんやりした光を当てているからこそ、過去や未来が見えてしまう。いや、見えるような気がしてしまう。しかし、もしも、『いま、ここ』に強烈なスポットライトを当てていたら、過去も未来も見えなくなるでしょう。」(p271)
「人生は連続する刹那であり、過去も未来も存在しません。あなたは過去や未来を見ることで、自らに免罪符を与えようとしている。過去にどんなことがあったかなど、あなたの『いま、ここ』にはなんの関係もないし、未来がどうであるかなど『いま、ここ』で考える問題ではない。『いま、ここ』を真剣に生きていたら、そんな言葉など出てこない。」(p271)
「『いま、ここ』にスポットライトを当てるというのは、いまできることを真剣かつ丁寧にやっていくことです。」(p272)
「人生における最大の嘘、それは『いま、ここ』を生きないことです。過去を見て、未来を見て、人生全体にうすらぼんやりとした光を当てて、なにか見えたつもりになることです。」(p275)
「アドラーは『一般的な人生の意味はない』と語ったあと、こう続けています。『人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ』と。」(p278)
導きの星は、他者貢献。
岸見一郎『嫌われる勇気 』
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