刑法奇行
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2005年09月12日(月) 心理学会の片隅で、RJをさけぶ

日本心理学会という大規模な学会の小さなワークショップ(50人程度)に突然!呼ばれて、修復的司法の話をしてきた。場所は、慶應三田校舎であり、学会員がわんさかいた。「ゆるしと和解の進化・発達・文化」というのが統一テーマである。T京大のH谷川先生(奥様はW大政経学部のH谷川先生である)、T北大のN平先生という心理学の先生方からの依頼である。H先生のお弟子さんである2人のT京大院生がそれぞれ、「霊長類における仲直り行動」、「園児における仲直り行動」を報告し、N平先生が「ゆるしの日韓比較―被害者と加害者のゆるしの考え方の差」を報告された。それぞれ興味深いものであった。霊長類に比べて、人間のほうが愚かなのではないかと思った。本当に、神は後悔していることだろう。「拙者、地球上に人間を住まわせてしまいましたから〜、切腹!」というように(このフレーズ気に入っています)。園児も、嵐を呼ぶ園児こと「クレヨンしんちゃん」の場合の仲直り行動も気になるところである。また、日本人は基本的に厳罰的であるという研究も面白い。復讐心の強い国民なのであろう。「目には目を」が無性に好きなのだろう。

いずれにせよ、修復的司法の射程の広さを感じたのである。もっとも、RJ研究者の中には、心理学者も少なからずいるが、特定の分野の心理学者であり、このように、どでかい心理学会で認知されたことは感無量である。謝罪と赦しという困難な課題に取り組む研究者が至る所にいるとは、ちいーとも知らなかったのである。

これに対して、政治の世界は、敵味方と応報に満ち満ちている。「だいたひかる」のように、「どうでもいいですよ」という感じだが、とにかく一つの方向へみんなが一緒にというのが胡散臭いのである。修復的司法のように、アンチテーゼとしての存在の重要性をもっと考えようではないか。

久しぶりであった特別刑研の合宿も、楽しいものであり、実りも多かった。これも継続こそ力である。合宿後は、例によって、原稿催促から逃げて逃げて逃げまくる方法序説の研究しかしてませんから〜切腹!

ジャスティス for you say Yes!


norio

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