刑法奇行
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2005年03月05日(土) クロロホルムで失神

 S刑研で分科会1の一端をI井君と披露し、クロロホルム殺人事件を議論した。その後、K大司法研究室の答練に直行し、そこでもクロロホルム殺人事件の解説である(もっとも、判例をモディファイして、例によって複雑怪奇な問題にしたが)。1日に2回もクロロホルム殺人事件の話をするとは、第1行為も第2行為もクロロホルム吸引行為という感じで、まさに失神状態である。

 ところで、昨日、日通の人たちがどっと来て、研究室の本を事前梱包してくれた。スティール製の段ボールにどんどん入れられ、空いている部屋に取り置かれた。本のない研究室になってしまった。何か広く感じられる。新研究室は、その段ボールで150箱しか書棚に入らないそうである。私は200箱ほどになったから、余分な50箱をどうするのかが問題となる。捨てるわけにいかないから、床に散りばめるか、脇に積み重ねるしかない。新築の部屋が一気に小汚くなるだろう。

 新研究室は12階建ての12階にあるが、吹き抜け側であり、反対側の研究室と窓を開ければ「こんにちわ」となる。ブラインドはあるが、それを閉め切ったままにしておくか、何か窓をふさぐ手だてを模索中であり、心もふさぐというものだ。これに対して、大隈講堂側は素晴らしいものであった。O江さんに見せてもらったが、窓から手の届きそうなところに大隈講堂があり、遠くは後楽園のジェットコースターも見える。まるで絵葉書のようであった。こちらは、刑務所状態か・・・。この環境の違いを研究費の額や雑用の程度とか何かで埋め合わせしてもらいたいものだ。まさに、修復的司法の実現をお願いしたい。

 来週の月曜日は日帰りで長野家裁に行き、「修復的司法」についての講義をする。調査官の人たちが「修復的司法って素晴らしい」と思ってくれればいいのだが・・・。

 まあ、こういうことで、われわれは、複数行為の結果惹起を日々行っていることに今更ながら驚くのである。クロロホルム殺人事件よりもより複雑で多数の行為をいろいろ行って、結果が発生するものもあれば、不発生のもの、充実するもの、空しいものなどなどあり、まさに、疲労困憊であり、失神状態となっている。クロロホルムなんかは不要であろう。その失神状態下であっても、何とかやりくりしていく運命を背負っているのである。

 最後に、今日K大で受けた(と思われる)セリフとして、W大をギリギリに出たので、少し遅刻したことから、「早すぎた構成要件の実現」というよりも「遅すぎた講義の実現」というところでしょうか、というものである。今日は一段と寒いかも・・・。

ジャスティス for 既遂故意


norio

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