刑法奇行
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2004年08月06日(金) 自由への逃走

 暑い日が続いているが、気持ちがさわやかなのは、今月で2年間の狂務ともおさらばするからかもしれない。下旬に研究室へ完全移転する。しかし、来年の3月にまた、新8号館に引っ越しするから、いくつかの段ボールはそのままにしておこう。緊急性のあるものとそうでないものとを分ける必要があるが、これが難しい。われわれは、無駄こそ価値がある世界にいるからである。

 基本的に行政は向いていないのだと痛感した。おそらく、教育も向いていないのかもしれない。しかし、これは当然の予測された事態であろう。なぜなら、一度も政治家を目指したこともないし、教育者を目指したこともないからである。ただ、大学院に入って、刑法学を勉強していただけなのだから・・・。

 平野先生が御著書『東大の内と外』の中で、大学の使命は第1に研究であり、その次に教育がある、といわれた通りである。ロースクールが、この順序を狂わせるとしたら問題であろう。これを機会に、平野先生の著作を再読しようと思う。来年の刑法学会でも企画したし、法時でも企画することになっている。

 やはり、研究中心の法研は素晴らしい。マニアックな連中と学界の水準を議論できる同志がそこにいる。法研存亡の危機をいかに克服するかが問題である。これに対して、法科「大学院」って、本当に「大学院」なのであろうか。ロースクールをもっと研究中心とすべきであるように思うのだが・・・。

 今日は、久しぶりに、S仙人と夕飯を食べた。学会以来である。この暑さで、閉じこもっているということだ。現代社会の閉塞状況を身を以て感じ取っているようである。クロロホルム殺人事件について、大いに議論した。彼は、判例も読んでおらず、こちらの説明を聞いて、いろいろ反論するのである。マニアックな世界にどっぷり浸かっている人間であることが確認された。こういう人間はおそらく今後出てこないだろう。残念!。

ジャーニー to 鴨川セミナーハウスは結構いい鴨


norio

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