コラテラル
非情な殺し屋を乗せたタクシードライバーの、一夜の物語。L.A.の夜を舞台にしたサスペンス・アクションです。04、米。
一応映画のジャンルとしては「サスペンス」に入るんでしょうが、メインの趣旨は、まったく違う人生を生きる二人の男の、一夜の邂逅と別れであると思われます。 殺し屋と運転手が、交差点で停まったタクシーの窓からコヨーテを見るシーンがすごく良い。一切のセリフがないんですが、MASTERキートンの名短編「喜びの壁」を読んだときのような感動があります。 多数挿入される、他のハリウッド映画では見られないような視点から撮影されたロスの夜景や、渋くて良い感じな音楽が、深夜の街を車でゆっくりと走るときのような、孤独感と幸福感を彷彿とさせます。
地味だしタルイしで、環境映画のようなマイケル・マン監督のいわゆる「マン節」にはこれまであまり良い印象がなかったんですが、一旦浸ってしまえばすごく心地良かったです。誰かと一緒に見て楽しめるような映画ではないけど、私はこれ、好きだなあ。見るなら必ず一人で見ることをお奨め。
2004年12月02日(木)
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