青の階

2005年04月01日(金) このねこどこのこ

猫の死体と目が合った

のが一週間前の雨の日。
わたしは赤い傘で、とぼとぼ歩きながら郵便局に向かっていた。
猫は植え込みの影にひっそりと横たえられて
じっと道行く人を眺めていた。
しっとりと毛が湿っていて、
触るとぺたぺたしそうだった。
目は澄んでいたけれど
体は重力に逆らうことを忘れてどっしりと重たそうだったので
命が無いのは一目瞭然だった。
……猫、もしかして、まだ、いるかな
今日は、目、逸らしてなきゃ
とおそるおそる家を出て再び郵便局に向かったのだが
今日は自転車だったため、しかも薄着で結構寒かったため、
猫のいた植え込みに近付く頃には
そんなことはすっかり忘れていて、しゃーっと通り抜けてしまった。
そして家に帰ってから猫のことを思い出した。

あの猫はどうなっただろう。
誰かに見つけられて、運んでいかれただろうか。
それとも、まだいるのか。


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