大学の入学式が迫ってきて 毎日慌しく引越しが行われている。 電化製品は全部大学生協に注文したので 今一人暮らしの友達の家に遊びに行くと 大体どの友達も同じ型の炊飯器を使っているので面白い。 引っ越してから1月はほったらかしだった炊飯器も 今では毎日活躍している。
自転車置き場を黒髪の少年が歩いていた。 それは一目で最近越してきた人だとわかる歩き方だった。 まだ魂は受験生活から抜けきっていないような、そんな表情だった。 わたしも、あんな顔をしていたのだろうか。 今、わたしの魂はどこにあるのだろう。
夜になると昼の喧騒が嘘のように静かになって、 ちゃんとマンションに他に人が住んでいるのか心配になる。 京都のほうの空が、イルミネーションの反射で真っ赤に染まっているのに驚く。 一年前もそうだった。 今もそうだ。
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