青の階

2005年03月15日(火) 僕の呪文も効かなかった

実家に帰ったり、友達と会ったり、免許を取ったり、
色々忙しくしているうちにあっと言う間に半月が経った。
高校時代の友人たち、外見はさほど変わっていなかったが
中身が驚くほど変わっていたので驚いた。
皆それぞれ恋人が出来たりして、
今まで恋には興味ないと言っていた子まで
恋愛ウキウキ生活を送っているようで少し寂しいような気分だった。
まあ、つまりはみんな大人になってきているということなのだろう。

20になった日、多くの人に祝ってもらった。
やさしい友達が一緒にいて、
携帯の着信ランプは青にひかひかしていて、
ビルの上にあるカラオケルームの窓から
三条の通りをきらきらと車が通り過ぎてゆくのを眺めていた。
20歳なんて想像もつかない頃、
その歳になったとき自分が「何か」になっていると思っていた。
他人に大威張りできるようなものが、何か一つぐらいはできているだろう、と。
けれど、わたしはただのわたしのままで、
光の中を歩いているほうのひとではなく、薄暗いカラオケルームの中のひとだった。
今、まだ、何も持っていない。

今までは、周りが見えないのが怖いと思っていた。
今は、周りが見えるのが怖い。


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