風の香り

時折、懐かしい風が私の中に吹く
それは、彼が住む街の香り。

もう、どれくらいあの風を感じていないのだろう
それすら思い出せない程、遠い記憶
なのに、恋しくてたまらなくなる

彼は好きじゃないというあの街も
私にとっては目に映るもの全てが眩しくて
街路樹の緑さえ違って見えた

今、私の中にあの時の風が吹いている
ハンドルを握る彼の左手を繋いだ時に
優しく微笑んで強く握り返してくれる仕草が好き
たくましい肩に顔をあずけて
「幸せだな」っていつも心の中で呟くの

あなたを想う時の
温かくて優しい気持ちになれる瞬間が好き
そんな時は決まって無意識に瞼を閉じてしまう
より鮮明にあなたの事を思い出したいから
私とあなたを包む空気感さえ蘇る気がするから

今、あなたは何をしているのかな・・・。
私と同じように、私の事考えてくれていたらいいな。


2007年10月02日(火)

たれゆくままに・・・。 / たれぱんだ

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