また ざわざわと 気持ちが荒れるので ああまた春が来てしまったと 本当はいっそ泣いてしまいたいような気がしている
空に砂が混じり 風が強く私を翻そうとする 忘れてしまっていたことを恐れながら 春がまた春として鮮やかなことに どこか安堵している ひかり ひらめくような また何かを奪っていこうとするこの季節に ただ言葉なく怯えている
ちから 生きとし生けるもの 揺らして暴きたてるもの ただこの刹那 うつくしい彼は誰刻 あのひとに ここにいてほしい ひりひりと傷む想いだけ 繰り返し揺り起こして思い知らせて
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