僕のすきなひとに、これでもう1ヶ月以上逢ってない。 電話も、もともと全然かけないし、しない。電話をすると逢いたくなるし。
・・・というのは、たぶん、言い訳だ。 僕はただ、自分から電話をするのがイヤで、 自分から折れてみせるように行動してしまうのがイヤで、 自分から哀願するようにメールを送ってしまったりしそうなのがイヤなんだ。 僕はたぶん、あの人がいなければ生きていけない。 ・・・というのも、きっと嘘だ。 自分が、あの人がいなくても生きていける生物だってことはもう思い知っているし、 あの人がいなければ死んでしまう、とまでは、もう言えない。
そんな僕は、時々、あの人が死んでしまったら、と考える。
それは一体どのような幸福だろう、と。
僕は時々、自分がひどい欠陥品であるように思う。 人間として。 僕の何らかの感覚器は、何らかの感情を、いつも正確でない方向へとねじ曲げてしまって いつも僕は、ある一定の瞬間に、どこか場違いな感触を抱かざるを得ないでいる。 たぶん、ネジが2本ばかり足りなかったんだろうと思う。 僕をしっかりさせるためには。 …あの人はそれを知るのが、僕よりも少しばかり早かった。
左 伸びる必要の無い若枝を落とす
右 葉先を揃え 形良い枝を作る
無用の傷は付けず 美しい幹を保ち 健やかな将来(さき)を求め 水は遣り過ぎず 日の光でさえ 制限して
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