あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2002年05月04日(土) World's END

少し、食べすぎで気分が悪かったり。
哀しい詩を書きすぎて、調子が悪かったり。
だけど、
僕はいつも心を痛めようとすればいつだって悲しみにくれることができるのだ。

ただそうしようとしないだけで。

だから、まだ僕は大丈夫だ。
生きていける。






World's END




あの人はいつも
私を殺そうと刃を振り上げる
血走った目を
私は絶望に見上げる
いつか
心が死んでしまうとすれば
きっとこんな夜だろうと
思う


あの人はいつも
刃を抱えて闇の中を覗き込む
私がそこで
あの人の墓を暴いてはいないかと
怯えて
私が少しでも 土に爪を立てれば
飛びかかろうと
身構えている


あの人はいつも
私を葬ろうと刃を握っている
いつか 背後から腕を伸ばして
喉を掻き切ろうと
闇から私を見ている
心が
少しずつ 血を漏らすので
私の足元はいつも
なまぐさい


あの人はいつも
この犠牲に飽き足らず
何らの恋も 持たぬのに

あの人はここにおらず
    ここに眠り
    ここに無く
    ここに伏して


あなたに眠りと安らぎを
何度も
そのために私は繰り返す
世界は終わったと
外には誰もおらず
季節もなく
たとえあなたが私を殺しても
罰せられることはないのだと

何度も 何度も繰り返す
それでも


あの人はいつも
刃を手放さず
避ける足元が鈍るので 私は
あの人を押さえようと
手を伸ばす
そして
何度もくりかえす



世界は終わったと
もう日も昇らず
夜は明けない
私ひとり 死んだところで
世界ではもう誰も
誰ひとり
悲しまないのだ







 < 過去  INDEX  未来 >


周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加