気分刊日記

2006年01月14日(土) 調度良い数

昨日は珍しく背広組の友人と新宿→地元で深夜2時半頃まで飲んでいたので、昼起き。

午前中友人夫婦から今日封切りの『有頂天ホテル』atTOHOシネマズのレイト1200円に行こうとの連絡が入り、現地集合で快諾。しかし、半分寝ていたので時間とか場所とかはっきり聞いていなくて、ずっと府中のTOHOシネマズだと思っていたら、彼らは南大沢のほうを考えていたようで危なく別の劇場に行くところだった。

以前「銀河ヒッチハイク」が関東近辺では六本木の他に南大沢でしかやっていなかったので、そのときの印象からレイトショーは南大沢でしかやってないと思ったらしい。しかし、南大沢のレイトに車で行く場合は、駐車場が行列でなかなか時間道理に入れない。それに、有料。これが、府中だとすぐに入れて、映画1本観るとタダになると言う事で、南大沢限定の作品でなければ、今度からは府中にしましょうと提案しておく。

さて、朝は朝で飲んでなくても昼起きなんですが、飲んでたのがビール中心だったので以外とアルコールが抜けるのが早くて、起きがけ家事全般してから、ケーブルTVでスペシャとか見たり、昼寝などして、のんきな母さん。

で、夜中に出かけて観てきました、今年2本目の映画『有頂天ホテル』。帰りは酒も飲んでないのに昨日と同じ深夜3時頃。

 『有頂天ホテル』面白かったですよ。まさに三谷映画の集大成。これまでの舞台も含めて手法と方向性の洗練はTHE 三谷節と言っても過言でない作品だと思います。私も友人も昔(と言っても東京サンシャインボーイズは観た事無い)からの三谷ファンなので、過度の期待をしてしまうのですが。普通に考えれば、天下の東宝でゴジラのいない今、邦画正月映画の看板背負って立てる位の力量は十分にある作品である事は間違いないです。

違う畑からの参入で、新人から普通に映画を3本、それもかなり自分の好きなように=順調に撮影できて、キチンと評価と興業が付いて来ているのだから申し分無いです。分かる人だけに受ければいいと言う感じの映画が多い邦画において、老若男女楽しめる良質のエンタテインメントを安定して届けられる数少ない映画監督に成長したと思います。(ただし、今のメディアの特徴でもあるのですが、ある程度TVでの三谷仕事があっての現状と言うものも有る事は否めない。)

さて映画は、大晦日から年越しの数時間。舞台設定としてはミレニアムの時に多く使われたシュチュエーションですが、昔から映画でも落語でも使われる人々の新旧の思いが交錯する時。いろいろな事件が起こりつつもタイムリミットが設定されているまさに劇的な時。

そこに登場するのは、三谷お得意の当て書き(演じる役者を想定して脚本を書くこと)にピッタリはまったキャラクター(ディズニー公認のドナルドダック声優の面目躍如もあるよ!)。いつもより多めの登場人物一人一人のエピソードを丁寧にそして巧妙に交錯する手法は秀逸。ま、この点で、これだけの豪華キャストを使っているのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、反面、もう少しボリュームのあるディティールを描いてくれと言うのも無くはない。でもそれをやると時間がないし、TVでスピン・オフとかフジが考えかねない。

全体のストリー自体も、自慢のセットと相まって劇場映画として見劣りしない豪華さと格式、そして人間ドラマとして、感情移入も出来て暖かみのある雰囲気が伝わってくる。特に、初期の古畑が持ち込んだ、ハラハラ感。王様のレストランの勇気が湧いてワクワクするような連帯感。合い言葉は勇気の様な爽快な達成感。もちろんこれらは劇場版の前2作にも当てはまるけど、今回はとにかくそのテンポが良い。これが、尺の長さを感じさせないのだから映画として、時間を、そして日常を忘れさせると言う点で大成功。

しかし、作品としての完成度・安定度がここまで高水準なのに対して、敢て苦言を呈するとすれば、興業の体制。昨年はほぼベストなタイミングで「電車男」などの大ヒット作を送り出した東宝。作品の内容から考えると、公開のタイミングは昨年暮れの12月2週あたりでは無いかと思うのだが。どうして年明けになったのだろう?

箱的な理由なのか、完成の遅れなのか、この辺りは私の尊敬する映画評論家、大高氏の評論が聞けると良いのだが・・・。(そもそも、時期的に失敗かどうかは最終的な興業が有ってからだろうけどね。)

 今風の例えで、日本のロバート・アルトマンと言う路線でいかがでしょう?


 < 過去  INDEX  未来 >


73k [MAIL]