2003年08月10日(日) : 完結

多分、小説を書き始める人の最終目標は、「完結させること」ではないでしょうか。
口で言うのは簡単。
で、長編ともなると、完結させるというのは、これがプロでもなかなか難しいこと。しかし、これがプロともなると、完結されずに終わったものは、「未完の名作」といわれたりするのですが。個人的に未完の名作、と言われてぱっと思い浮かんだのは、吉川英治『新・水滸伝』……永遠の未完……。
個人的には、「次、次!」と、やきもきしながら連載を追うのが好きなんですが。
書き手としちゃあ、書いてるときは苦しいけどやっぱり楽しいし、終わるってのはちょっと寂しいと思うし……。
だからって、本当に来年『アルスラーン戦記』出るんでしょうね……? 

が、ウェブ小説というのは、基本的に趣味の世界。
これを書かなくちゃ飯が食えない、というのはなく、しんどいからお休み〜とか、実生活のが忙しいから強制終了、とか簡単にありえる世界であります。ほぼ一年さぼってたあんたが言うと、ろくでもなく説得力あるわね、ほほほ、ほほ、と。

だもんで、「完結させた小説がないと、敬遠される」傾向があるウェブ小説世界。
……心が痛いです。
趣味でやってんだからいいじゃん、というのもあり。楽しみにしてるんだから、ちゃんと書いて欲しい、というのもあり。
ここで、楽しみにされてんなら、いっちょ気合入れっかーとも思うのも人情。
しかし、生身の人間であるからして、好不調の波があるのはどうしても。
うーん今書けないんですよだらだら(←だらけてる)。
実際、私はラストの「ビジョン」があって、今の話、両方とも書いてるわけなんですが。言い訳させていただくと、ええ。
だから、堂々と『Shadow Saga』五年後のレオンハルト、みたいな話をする。よく考えりゃ、これでラストの一端、「レオンハルトは生存」ってバレてんじゃん! みたいなー。え? カインですか? それは秘密だから秘密です(得意技)。ていうか当たり前か。
意外に思われるかもしれませんが、『華京騒動録』も、ちゃんとラストは決まってるんです。キャラの行く先が。

完結させる、ということは結構……いやかなり相当、作者にエネルギーを要求することです。読まれる方はどうでしょう?
終わってる、と思うと、やっぱり安心して読めますかね?
それはそれで、終わってる、だけじゃなくて、その完結のさせ方の云々もありそうですが……。
完結作品の名作、といわれて思い浮かぶのが、漫画ですみません。永井豪『デビルマン』です。この作品については、もう今更何をかいわんをや、なのですが。あの圧倒的な物語を、20代の青年が30年前に描き上げていること。これが凄いです。もう、もう……! ヒロインを屠り、人類は絶滅し、そして美しくも残酷な静けさの中での、主人公の死という終焉……。
コレは読む方もエネルギー要ります。私、未だに美樹ちゃんが殺されるくだり、正視できません……。
ある意味、これぐらいの「ショック」を与えられたら、書き手としても本望だろうなーとは思いますが(しかし、豪ちゃん本人も、「え、俺、こんなこと描いたの!?」みたいなトランス状態で描いてたそーなのでなあ……)。

基本的に、その人の作風、というのがあると思うんですが。
私は「狭く深く」の人間なので、しつこくネチネチ書いてると思います。
まあ、時々でいいので、思い出して下されば(FFXのユウナのラストの台詞のようだよ)。
少なくとも、終わらせる、という意志、ちゃんとありますから。









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