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■ Hiroshima mon amour / 一文字弥太郎 / Hello to Gaijin!
「あんたはいつも間の悪いときに帰ってくる」 と言い残して、家族たちは朝早く出勤していった。
自分ひとりがせわしいせわしいと思っていたので、拍子抜けしながら昨日と同じリーマン服で実家を出る。
用事は思ったよりもあっさりと済んだ。 あっさりと広島を後にしなければならないことにがっかりしたけれど、また海を渡ればいいことだ。 急な「海外」出張もたまにはいいものである。
●今日観なかった映画 「24時間の情事 ヒロシマ・モナムール (Hiroshima mon amour)」 ……サロンシネマで1週間限定上映中らしく、RCCラジオで一文字弥太郎が(この名前にピン!ときたあなたは俺の心の友)とりあげていたのを愛媛で傍受し、かなり行こうかと思っていたのだが、平日の昼間にスーツ姿の20代男が一人で映画館にいるのはかなりどうかと考え直し、さっさと高速バスに乗り込んだ。
高速バスはガラガラだった。 一目でシアトルかその辺と分かる、あからさまなアメリカ英語を話すバックパッカー3人を含めて、乗客は9人だけだった。
バスを降りると、路線バス待ちの女子中学生たちがガイジンを発見してはしゃいでいた。 「あっ、ガイジンじゃあ」 「聞いてみようや、アーユーフロムシカゴ? ゆうて」 「インディア? とか」 「なんでインドなん」 「アイアムジャパン!」 「何それ、私はジャパンですー? こっち来たよーちょっと」
“ガイジン”たちは中学生たちの前を横切るとき、大きな笑顔になって「ハロー」と言った。 「はろー」と、女の子たちは口々に言った。 その隣にいた女子高生が、携帯から目を上げて、大きく手を振った。
みんな笑顔なのだった。
2004年06月02日(水)
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