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■ 写真屋さがして / 当世浮世床、くるくる棒の問題
今日も朝6時からのお仕事。 朝露がどかっとおりていて、いつの間にか地下足袋も中までびっしょり。
ここは目立たない田舎町だけれど、隣には県内2位の大都市(人口10万)があって、ちょっとした用があるとそこまで出て行くことになる。 朝早かった代わり、昼休みを長めにもらえるので、証明写真を撮りに街まででかけた。たかが証明写真だと・・・。
1軒目、某大手小売店、つーかサティにある写真屋。 「ごめんなさい、ちょうど今機械が故障しちゃって、修理を呼んだとこなんですよー。お昼過ぎになっちゃうんですけど」 却下。広い通りを駅前方面へ。
ちなみに、ここまでチャリを20分以上走らせているが、写真屋はこのサティの一軒だけ。
2軒目、駅前の○○写真館。 古ぼけたシャッターが下りている。 却下。繁華街方面へ。
3軒目、〜銀座と名のつく、地方都市にありがちなアーケード街入り口にあるカメラ屋。 緑のシャッターに張り紙、「貸物件」の文字。却下。
4軒目、同じアーケード街中ほどの写真屋。よくある、「現在時刻」「お渡し時刻」2つの時計が並んでるやつ。 普通につぶれてる。キャッカ。 つうかこの「銀座」、空き店舗がどう見ても全体の半分を軽く超えている。
5軒目、アーケードを横切る路地にある、こぎれいな感じの瀟洒な写真館。 「定休日 毎月第三水曜」 今日決めたんじゃねーのかコラ ここまでこの街のメインストリートを走り続けてきたが、他には写真屋が見当たらない。
はあ。。駅ビルのスピード写真で犯人ヅラとるしかないのか。。 と、覚悟を決めた帰り道、ありえないぐらいささやかな写真屋を発見し、無事とることができた。
ていうかですね、ふつう写真屋なんてめっちゃガラガラで(だからつぶれるんかも知れんが)、証明写真なんて頼むと店員さんすっごい嬉しそうな顔したりするじゃないですか。 この小さな写真屋、昼時ではあったけれどもえらい込みようで、証明写真も俺の後ろに4人待ちだったぞ。
明らかに写真屋の対人口比率がおかしい。
ついでに言うが、この街は床屋の対人口比もおかしい。異常に多い。 多すぎる。
東京の下町で かばん屋そば屋金物屋そば屋食堂ふとん屋そば屋
といった具合にそば屋が頻出するのと同じように、
電気屋……床屋床屋…携帯ショップ…美容院ラーメン屋床屋…(以下同様)
と、完全にスレッシュオールドおよびレインジ(おっ経済地理学用語)を無視した床屋ぶりなのである。 だいたい商店街が死にかけてるくせに、恵比寿(だっけか)の松屋吉牛戦争みたいなことを始めるんじゃない。
しかも。 床屋といえば赤青白のくるくる棒(なんて名前なんだあれ)がありますが。 この街の床屋は、あれを2本3本つけてるのは当たり前。 俺の行きつけの店など、4本でタテにひし形を作り、その中に1本また付ける、つまり
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これが各々くるくるしている、という古代の魔除けみたいなことになっているのである。 一番ひどい店は8本使っていた。むろんミニサイズではなく2メートルぐらいのノーマル(?)である。どういう形かはご想像にお任せする。
地元の人が言うには、2,3年前からこの街だけで流行りだしたそうである。 とにかく少なくとも散髪にかける気合は、感じ取らないわけにはいかない。
「ナニ、2丁目の理容室サイトウは4本で倍速回転だと。それならうちは七色に光るきらめきイルミネーションタイプを7本入れるぞ、来月からだあ!」 といった椎名誠スーパーエッセイふうストーリーがいくつも展開されているに違いないのである。
ちなみに、俺の行ってるひし形くるくる棒の床屋は、忌野清志郎みたいなオーナーのもと、けっこうかっこええ兄ちゃんたちがやってくれて、なかなか上手いです。建物も明るくておしゃれなのでくるくる棒がいっそう異様です。
2004年04月21日(水)
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