ゆれるゆれる
てんのー



 嘘と或フランス人 軽蔑と目の高さ

 新年早々書くことがない。やれやれ、いいことだか、無能なだけなんだか。

 日本にいるのがつまんないから、なんて理由であちこち旅行したって、何にも見えるわけがないのにと思う。きちんと物事が見えている、あるいは少なくとも見ようと心がけている人なら、まず自分が確かに生活している空間を「平凡、面白くもない」などと片付けるわけがないからだ。
 そんな矛盾にも気づかず、「観光地よりも人々の生の生活を見たい」だなんて、下手な冗談にも程がある。てめえのナマの生活を、てめえ自ら「つまんない」って思ってんだろう?
 うざいうざい、語るな、もううざい。弱者を軽蔑する者よ、お前はまるで気づいていない。哀れなるかな、だが俺はお前を軽蔑しない。ただお前と同じ高さでものを見ようとするだけだ。俺は物好きになりたい、物好き扱いされていきたい。

 嘘でさえなければ、あらゆることはすべて本当だ。
 「ほんとうの嘘は、本当の真実よりももっとほんとうだ。」
いつかどこかでそんなことを言ったフランス人がいたらしい。俺にとっては、この命題が俺のところまで(きっちり翻訳されて!)届いたという事実だけで十分だ。或人曰く、夢は現実よりももっと現実だ。だれか反論できる奴がいるだろうか。

2003年01月02日(木)
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