ジョージ北峰の日記
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2004年12月05日(日) 経済制裁は今必要ですか?

 最近、北朝鮮の犯した日本人拉致事件(犯罪)について、拉致家族の方々のフラストレーションは極限に達しようとしています。そして又その気持ちは、私にも充分理解出来ます。そのような状況下で、政府の要人の発言の端々に“経済制裁やむなし”との言葉が出るようになってきました。その真意を推し量ることは可能でしょうが、今私は敢えて推察することはやめておきます。
 しかし、私の判断は、今、日本が経済制裁に踏み切ったとしても、何の解決も得られないまま、(日本にとっては)最強の制裁手段を失ってしまうことになると、考えています。何故なら日本人拉致問題は、世界の人々にとってはそれほど重要な問題になっていないからです。日本人以外の国々の人々は、過去日本も同じようなことを、やってきたではないか、どっちもどっちじゃないのか、と考えている人が意外と多いのです。確かに日本は、今は昔の(第二次世界大戦敗戦以前)日本と違っていますが、世界中の人々がどれ程そのことを認識しているのでしょうか。この点についての判断は、日本人と外国人との間にはいまだに、かなりギャップがあることを決して忘れないでおきましょう。
 日本が民主主義国家で、自由と基本的人権が守られ、かつ公正であることが守られている(本当かな?)国だと、どれほどの国々の人達が知っているのでしょう。今まで、この点については日本が世界に対して十分アピールしてきたとは思えません。むしろ、世界の人々が、日本がイギリスやフランス、アメリカのような近代的民主主義国家であると、心から信じているわけではありません。だからこそ、靖国問題もいまだに燻り(くすぶり)続けているのです。(この問題は、中国だけが問題なのではありません、下手をすると世界中から日本が信用されなくなる時が来るかも知れません。日本がポツダム宣言を受け入れ敗戦を認めた以上、今になって国家がそれを否定するような発言や行動はするべきでないと考えています!個人的なレベルでいろいろ意見のあることは勿論許されることですが--)イラクの問題も決してアメリカの追随ではなく、日本の国家理念に基づく行動であることを明確にしておく必要があると考えています。日本が日本として、独自に近代的民主国家であることを、いろいろな場を通じて世界にアピールすることがいっそう大事になるでしょう。つまり外交上、日本が国家として信用できる国であるとアピールすることがとても重要なのです。
 ところで北朝鮮の拉致問題についてですが、いろいろ意見は別れるでしょうが、k首相よくやっていると考えています。北朝鮮に所謂“拉致問題”を認めさせたことだけでも大変な“お手柄”なのにJ氏の問題まで解決したのですから、本当に大したことだと素直に評価してあげましょう。私は正直言って此処まで解決できるとは考えてもみませんでした。
 本来なら、もうこの問題は政治問題ではなく、犯罪ですから、両国家間の警察が取り扱うべき問題でしょう。しかし、両国間には平和条約が結ばれていない関係なので相手国が動いてくれなければ、日本としては何も出来ないと、いうのが本音でしょう。で、どうすれば北朝鮮は動くのでしょうか?
 今日本は、経済制裁するべきなのでしょうか?
 先程も触れましたが、これはやはり最後の手段として残しておくべきものでしょう?それより前に、もっとやるべきことが沢山あるように思います。
 今北朝鮮はアメリカに“ならず者国家”と名指しされています--それを国際世論にまで高めることこそが、日本がとるべき最も重要な手段でしょう?それも北朝鮮の人々がすべて“ならず者”ではありません。国が“−−”なのだと。
 世界にとって、テロリストや独裁国家が核兵器を持つほど怖いことはありませんが、それ以上に重要なこと、それは北朝鮮の人達の“人権”が守られているかどうか、と言う問題なのです。これは、共産主義国家か否かのようなイデオロギーの問題ではありません。基本的人権の問題なのです。
 日本の拉致問題すら解決できない国家で、人々の人権が守られているとは到底信じられない、北朝鮮の人々の為にもこれは解決されるべき問題だ、と声を大にして主張するべきでしょう?
 核問題と同様人権問題を世界は避けて通れません。
 世界の国々にとって人権問題は無視できないのです。
 国際世論を日本の拉致問題に絡めていくには、それがベストの方法のように思えるのですが--如何でしょう。
 とにかく、今経済制裁をする段階ではないと思いますよ。
 


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