ジョージ北峰の日記
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2004年06月01日(火) |
アメリカがもたらす世界的カオス |
さて最近の世界のビッグニュースの多さにはあきれている。私の思考回路は、まだ十分ついていけてないと言うのが本音である。それほど多くの出来事が世界中で頻発している。 最初はアメリカ軍の捕虜虐待事件、その陰に隠れてはいるがエスカレートし続けるイスラエルとパレスチナの紛争、そしてサウジアラビアのテロ事件、日本人ジャーナリスの襲撃と死。 この混乱の根源は一体どこにあるのだろう? 9/11の戦争の大義は最早何処かに飛んでしまって、石油の利権に関わる問題である、との認識が次第に広まりつつあるのではあるまいか。日本の自衛隊の派遣の本来の大義(テロリストとの戦いと復興支援)は風前の灯のように消えようとしている。今k首相がテロリストとの戦いに屈しないという発言をすれば、おそらく違和感を感じる人が多いだろう。なぜなら、少なくとも現在はイラク戦争はイラクの人達にとってイラクの為にアメリカがテロリストと戦争してくれているとは思っていないし、この戦争はアメリカの石油利権に関わる思惑が深く関わっていると認識し始めているからである。 アメリカの同盟国日本としては、そのような理由がたとえあったとしても、現段階でイラクから自衛隊を撤退させることはとても困難だろう。何故なら自衛隊を撤退すればますます、アメリカを窮地に追い込む結果になるからだ。現段階でさえ、アメリカ軍は虐待事件を起こしている(すでに軍の規律に腐敗が進行している)。すべての国がこのままアメリカを放置してしまえば、この戦争は大義なき、無謀ともいえる終わりなき戦争に変質しかねないからだ。 今回ほど下手なアメリカの戦争は見たことがない。あの悪評高いベトナム戦争だって利権の戦争と言うよりはむしろイデオロギー戦争だった。ただベトナム戦争はそのプロセスに問題があったと考えられているのである。今回の場合も、大量破壊兵器拡散防止、フセイン政権打倒までは、たとえアメリカ単独で行動したとしても仕方がなかったと思う。しかしその後の行動から狂い始めたように思う。 イラクに自由と民主主義を確立するのが大義なら、フセイン政権を打倒した段階で国連に積極的に働きかけ、すべての権限の委譲するべきだったのである。国連に権限を委譲したからといって、アメリカが損をすることは決してなく(石油の利権においてすら)、むしろ戦後復興に尊敬される立場を確立する事が可能だったと思うーー
それにしても、B大統領は日本にとって、どれほど貢献しているアメリカ大統領かわからない。北朝鮮の拉致問題がここまで進展してきたのは、まさに彼の”悪の枢軸”発言があって、フセイン政権が簡単に倒されたからである。世界にとってはともかく、皮肉な話であるがB大統領は、日本にとって大変大事な人物なのである、ことだけは忘れないでおこう。 だからこそ、日本はB大統領にこの戦争を早く終わらせるよう、判断を間違わないよう積極的に忠告することである。それが唯一、日本がアメリカにできる恩返し(?)ではないだろうか。又自衛隊派遣を早期に終結させる手段でもあるまいか。
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