与太郎文庫
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2007年12月03日(月)  不亦君子乎 〜 後輩を先輩が迎える 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20071203
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/list?id=87518&pg=000000
http://www.enpitu.ne.jp/tool/edit.html
 
 Ex libris Awa Library;国際ホテルロビー
 
 むかし、八戸空港に降りたつと、真っ暗闇であった。
 タクシーで、予約した旅館に向う途中も、ネオンの気配がない。わず
かに一軒だけストリップ劇場らしきものを通りすぎた。
 
 冬の東北では、夜歩きする者など居ないのだろう。
 旅館に着くと、年配の女中が、ていねいに応対してくれた。
 ほとんど東北なまりを感じなかった。
 
 ところが、廊下に他の女中が通りかかって、声をかけたので、二人の
会話が始まると、もう何を云ってるのか分らない。同じ日本語とは思え
ない勢いだった。(200306‥)〜 旧稿《空とぶ与太郎》より 〜
 
 1973年冬ごろ、与太郎は、青森県八戸(はちのへ)を二度訪ねている。
 一戸(いちのへ)から九戸(ここのへ)まであるという。
 ※ 他に東亜国内航空(札幌〜八戸、愛媛〜岡山)など。
 
 一戸という苗字の、自称経営コンサルタントに会ったこともある。
 とても風変わりな紳士で、喜怒哀楽の変化が激しかった。
 なにより「東北なまり」については、顔色を変えるほどムキになった。
 
── 「八戸(はちのへ)」は全国ネームだと思いますが「三戸」をご
存じの方は少ないと思います。この「〜のへ」実は一から九まで「四」
以外は全て存在します。── 青森県温泉文化レポート
http://csx.jp/~gokujou/O-Aomoriken/aomori.htm
 
 ◆ 湯けむり対話 〜 五十の手ならい 〜
 
A:航空会社に勤めていると、空港のない町には旅行しないんだろ? 
T:北オーストラリアで、建物のない空港がありましたよ。砂漠の中を
迎えのバスが来るまで、翼の下で待たされました。
 
 T君とは、四十年以上前に、山奥の宿に泊まったことがある。
(せっかくの湯殿だったから、互いに背中を流しっこすればよかった)
T:センパイは、カタカナですか、ローマ字ですか?
 
A:君が40年前、オリベッティのカナタイプをすすめてくれたんだ。
 ただし、カナタイプで手紙を出すと、一度たりとも返事が来なかった。
 そこで、ワープロを始めるにあたっては、ローマ字に決めたんだ。
 
 亡くなった佐々木くんが、ハンバーガー・ショップを出すにあたって
アメリカ(マクドナルドもふくめて十数社)に資料を請求したんだ。
 すると、多種多様な返事が戻ってきた。
 
 その手紙の山を見せてくれたが、まさに百花繚乱だったね。
 優雅な印字から瀟洒なレイアウト、毒々しいデザインまで、つまり、
ピンからキリまであって、これが市場経済の顔だったんだ。
 
T:センパイは(年令のわりに)パソコンにくわしいですね。
A:ぼくらの世代は、どうも絶滅世代だね。多くの友人たちも、メール
どまりで、引退すると、キーボードから離れてしまう。
 
 二十歳のころからエクセルのような機能を求めていたんだ。
 なぜか、伝票や年表に強い関心があったからだ。
 いまも、コンピューターを理解できない世代が、国家を指導している。
 
 1980年代、中古品の邦文タイプを買って挑戦してみたが、筆圧が調整
できないので、句読点(。、)を打つたびに首をすくめている、とても
実用にならなかった。電動式も出現したが、あまりに大げさだった。
 
 1984年ごろ、データ・ブックを完成するため、初期のワープロなどを
導入することができた。ただしまだ、人まかせだった。
 事務所を閉じて一人になったので、強い意志で取組む決心をした。
 
 もとは、オペレーター(怒れる十二人の女たち)に丸投げしていた。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030929
 さらば、カード 〜 怒れる十二人の女たち 〜
 
 ぼくは、切実な二つの課題(自伝と暦法)があるから、パソコンから
離れられなくなった。新聞も書籍も(できればテレビにも)サラバして、
24時間ネットに接続している。もうすこし英語ができたら、と残念だ。
 
 ◆ 来た、の宿 〜 新作ダジャレ&ジョーク 〜
 
 メールでは、なるべく駄洒落を書きくわえるが、37年ぶりに対面し
たからには、もっと面白いネタが出るかと思ったが、さほど互いに上達
していなかった。
 
T:マリウスの店に、ブロンドのヤンキー嬢がやってきた。
(フランス小噺は、たいがいマリウス=与太郎が主役である)
「いらっしゃいませ、何にしましょう」「カーテンを取りかえるのよ」
 
「寸法は、いかほどで?」「30センチ四方かな」「?」
「あーら、ウィンドウに吊るすからよ」(Windows 複数?)
 T君は英語の達人で、ジョークのセンパイだが、座布団をケチる。
 
A:「みなこけ、三遍ころんで、ワン!(カルメン前奏曲)」
── 《2007NHK杯フィギュア「女子シングル・フリー」
20071201(土)19:30〜20:45 NHK総合》
 
 安藤 美姫“カルメン”で魅せる!大会初優勝&GPファイナル進出を
決めるか? 武田 奈也・浅田 舞は…〜仙台市体育館
 解説=荒川 静香/実況=森中 直樹
 
T:和風旅館だと、チップを出すんですか?
A:和服を着て、付きっきりでお酌してくれる場合はヒネるが、そうで
なければ最近は出さない。出しても受けとらない店が多くなったからね。
 
 さる男が、さる女性を伴って、お忍びで宿をとった。
 夕食の席に女将以下、板場、女中にいたるまで、全員集合したそうだ。
 これはもう、無粋もいいところで、そのカップルには大迷惑だった。
 
 逆に、ひとり旅の客にとって、社交辞令や世間話が迷惑なこともある。
 ただし、料亭や宿屋で、女将や主人が挨拶に現われないのは面妖だ。
 自宅に友人を招いて、女房が顔を出さないようなものだ。
 
 さもなければ、支配人や板場が代わってもよい。
 いろいろ理由はあるにせよ、女中にチップを出す間合いが計れない。
 いまでは、業態そのものが傾斜しつつあるかもしれない。
 
 この数十年をふりかえっても、一度たずねた料亭や宿屋から、礼状や
年賀状が来たためしがない。よほど見すぼらしい客に見られたようだが、
相客・招待客に対しても面目が立たない。
 
 むかし学生のころ、両親が上京して宿をとったので、息子が訪ねた。
 玄関で名を名乗ると、裏口に案内された。まったくの偶然だったが、
その宿(大西旅館)の支配人が、一家とおなじ苗字だったそうだ。
 
 三十数年前に、理髪師の青年が、名だたる老舗旅館に「日本一という
リスリング・ルームを拝観・拝聴したい」と手紙を出したところ、すぐ
「いらっしゃい」と云われたそうだ(既述)。
 
 きょうふたたび、その理髪店でたしかめるに、炭屋の主人から「午後
十時半に仕事が終るから、そのころ訪ねていらっしゃい」と返事が来た
ので、青年は別の宿をとって、つつましく参上したそうだ。
 
 あらためて訂正するほどではないが、いささか補筆しておく。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20040226
 遠来の人々 〜 炭屋の客 〜
 
 ◆ 惜別 〜 Good crack(luck)! 〜
 
T:センパイ、いろいろありがとうございました!
A:もう会えないかもしれないが“until we meet again !”
 それから、さいごにもう一言“Good crack !”
 
From: adlib
Sent: Monday, October 15, 2007 5:16 PM
To: Tamura
Subject: RE: エッセイ(正続)
 
 追々伸(未送信)
 
 グッド・クラック(湖底の亀裂→幸運な手がかりの意味か)とは、
使いようによっては、ダジャレになるだろう。ぼくは二回も落第した
ので、本来なら会わなかったはずの後輩諸君に出会ったように。
 
“Good crack(luck)!”→ 良い冗談(運)!
http://www.excite.co.jp/world/english/
 
(20071203-1204)(20100503)
 


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