与太郎文庫
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2007年03月29日(木)  印刷ばなれ 〜 さらば、プリンター 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20070329
 
 この機種は、あまりに頑丈なため、キャノンの独壇場となった。
 キャノンの女性サポーターは(なかば冗談だが)傲岸不遜である。
 愛想のいいメーカーは「商品に自信がない」とも云われるからだ。
 
 いよいよ寿命かと思ったが、約9年経っただけで、企業や役所などの
業務上の酷使に比べれば、パーソナル・ユーザーとしては、それほどの
ヘビーではないはずだ。
 


1985‥‥ Canon ドット・インパクト・プリンター(\200000)購入。
198812‥ Canon インクジェット・プリンター(\150000)購入。
199411・・ CanoWord J10(ラップトップ・ワープロ)内臓プリンター。
 
19980205 Canon LBP-730 両面ユニット付(\150000)購入。
20050819 Windows 98 から Windows XP に移行、各種不具合発生。
20050930 変換ケーブル(非純正\5000)接続、初の修理(\15000)。
 
20070318 紙送りベルト(227×5mm)切れ、印刷続行(約1600枚)。
20070328 トナー・カートリッジ(\7000)再生。
20070329 紙づまり(印刷停止)、修理見積(\25000)。

 
 リサイクル・トナー・カートリッジを取替えたばかりなので、これを
もとに推算すると、年間8000枚(頁)として9年間に約7万頁となる。
 両面印刷なので、用紙は通算5万枚(5万円)あたりか。
 
 機器総額15万円に修理メンテナンス2万円、カートリッジ約8万円
(合計25万円)。以上の総費用を概算すると、約30万円/9年間。
 さらに(日・祝日を除く)日割計算では、一日当100円である。
 
── 表計算の原理は、とくに進歩の形跡がないため、ひとたび
空想的なアイデアが実現すれば、だれも予想しないようなソフトが登場
する可能性があるのではないか。HTMLに合流しただけでも、待望の
《さらばプリンター》に、いま一歩近づいている。
── 《虚々日々 〜 紙よ、さらば 〜 》P10-11
 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030929
 20001210 さらば、シリーズ 〜 さらば、プリンター 〜
 
── (ある感慨をこめて)「この作品は、自伝資料として最初だが、
印刷物としては最後のものだ」(略)与太郎は、十才のころから数え
て五十年におよぶ編集技術が、過去のものになったことを惜しんでい
たのである。
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20040322
 抜刷解題 〜 まとまらないことなど 〜
 
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↓=Non-display><↑=Non-display
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 与太郎には、一枚一枚ごとに神経が擦りきれるような原体験がある。
 かつて、ガリ版の全盛期には、原紙をスクリーンに貼りつけないで、
直接ローラーを当てることにしていた。
 
 インクを最小限にして、一枚ごとに馴らしながら、力いっぱいに押捺
するのである。すると、ドットが明瞭に再現され、あたかも網版印刷の
ように精密な仕上がりとなって、いわくいいがたい説得力が生じる。
 
 やがて腕力が鍛えられ、腕相撲では、たいがいの相手に負けなくなる。
── 「なかなか、やるやんけ」勝者も敗者をほめてくれた。
── 《虚々日々 〜 野太郎 〜 》P45
 
 一枚一枚に神経が擦りきれるような原体験は、ドット・インパクトを
使ったときに、まざまざとよみがえった。まさに胃袋を直撃するような
音は、両面レーザー・プリンターでは、紙送りの不規則な雑音につづく。
 
 団塊以前の世代は、ほとんど印刷物によってしか情報を理解できない。
 かくいう与太郎も、脳内情報は印刷物そのまんまである。
 友人・知人・恩師にいたっては、パソコン・アレルギーが大勢である。
 
 さらに奇怪なことに、三十世代以下のパソコン・ユーザーにも、実は
脳内風景がプリント状の人々が少なくない。ありていに云えば、書物を
第一級の情報形態だと考えているらしい。
 
 このような若者は、メールよりも手紙こそが正式の礼法だと思いこみ、
やたら敬語に通じていたりする。いつの時代にも、保守的な若者が存在
するように、革新的な老人も少数ながら生きながらえるようだ。
 
 ◇
 
 レーザー・プリンターの紙づまりは、素人の手に負えないようだ。
 細部を観察すると、わざと素人にできない設計になっている。
 競争相手がいなければ、こんなことからも市場を支配できるらしい。
 
 そこで技術者の出張を頼むと、2万円以上かかる。
 いま修理して、ベルト交換すれば、あと5年はもつだろう。
 片面のインクジェット・プリンターなら、1万円もしないだろう。
 
 両面印刷という機能は、いかにも西洋の印刷技術だけの概念である。
 しばしば“チラシの裏”に書くと、よほど節約したような気分になる。
 日本の書物は半紙を綴じるもので、西洋のカードも原則片面である。
 
 たぶん5年後(日常的には)プリント数も激減しているはずだ。
 ただし、ひところパソコンの普及で“紙ばなれ”が予想されたところ、
実際には紙の使用料が激増したという、逆の現象が伝えられた。
 
 いま分析すれば、紙情報を電子化するために、紙ばなれの準備として
「入力⇔照合」の作業が集中したのではないか。そして、この作業は、
ルネサンスや産業革命のように、延々とつづくのではないだろうか。
 
 かくなる駄文はとりとめがないが、いま与太郎は決断を迫られてる。
 いまこそ「さらば、プリンター」を宣言するチャンスかもしれない。
 いますぐ無理なら、片面のインクジェットに屈服すべきか……。
 
 ここでも迷うのは、きのう届いたばかりのトナー・カートリッジが、
まるで使えないままになることだ。
 柄杓の柄が折れたようなもので、古来から正解はないのだろう。
 
>>
 
 総じて人は無学、無芸であるほうがよい。
 
 ある人の息子が自分の父親のいるところで何かの話のついでに中国の
歴史書から引用して見せたことがあった。確かに、それでかれが頭のい
い子供であることはよく分かった。
 
 しかし、その子は見た目も感じのいい子供だったただけに、目上の人
の前でそこまでしなくてもいいのにと思ったことであった。
 
 また、ある貴人の家で琵琶法師を招いて話を聞く会があった。ところ
がそこに出された琵琶には柱(じゅう)がひとつ欠けていたので、作って
取り付けることになった。
 
 するとその場にいた一人の見栄えのいい男が故実を踏まえて「古い柄
杓(ひしゃく)の柄はありますか」と言いだした。見るとその男も琵琶が
弾けるのだろう、爪を長く伸ばしている。
 
 しかし、盲目の僧が弾く琵琶にそこまで凝ったことをする必要はなか
った。なまじその道に詳しいがためにと、見ていて気の毒になった。あ
る方などは「柄杓の柄はヒノキだから、琵琶の柱には向いておりません」
とおっしゃったのである。
 
 若い人は少しのことでよく見えたり悪く見えたりするものである。
(第232段)
 
http://www.geocities.jp/hgonzaemon/turezuregusa.html
 新訳 もの狂おしくない『徒然草』
 
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 単純な損益計算で、約30万円/9年間なら、月別コストは約2700円
だから、ここで25000円投入しても、一年ばかり延命すれば採算が合う。
 しかし、運よく壊れなければ、こんな計算は無用だったのだ。
 
── 生きることの最大の障害は期待をもつということであるが、それ
は明日に依存して今日を失うことである。
── セネカ《人生の短さについて 19801117-19900525 岩波文庫》P
 
http://q.hatena.ne.jp/1127922397
 プリンタケーブル(Canon LBP-730)が使えない。
 
(20070330-0331)
 


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