与太郎文庫
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2006年01月31日(火)  献辞 〜 抜刷解題 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060131
 
 老人は、アキレスに追われるカメのように、いつも後ろをふりかえる。
 若いころとちがって残り時間がないから、あまり丹念に推敲するより、
もう一冊よけいに完成したほうがよさそうである。
 
 一年前の春、河原・吉田両君との“三友再会”を期して一冊まとめる
つもりだったが、あまりにも長くなり、秋まで持ちこし、ついに年末を
すぎてしまった。誰からも催促されないのに、なぜか気が急く。
 
 こうなると、現在形と過去形の文章が交錯して、とても読みにくい。
 おまけに細かい字が(例によって)ぎっしり並んでいるので、これを
受けとる老友たちの迷惑そうな表情が目にうかぶ。
 
 すべて読んでくれと云うつもりはないが、一部分だけ拾い読みされて
誤解される懸念もある。あるいは、800項目もの目次一覧に驚いて、
尻込みされるよりは、せめて数行でも読んでもらいたいものだ。
 
 そこで、その抜刷(16頁単位の分冊)を未完成のままで、あらたに
“老いらく”を主題とする一冊を先にまとめてみた。
(わけ知りぬべく、もっともらしいことを書くつもりはないので)
 
── この書物の全体が一つのながい議論なのであるから、主要な事実
と推論とを簡単に要約しておくことが、読者のためにつごうよいであろ
うと思う。(第一四章 要約と結論 1859)
── ダーウィン/八杉 竜一・訳《種の起源(下)19791220 岩波文庫》P185
 
 プルーストが貼りつけるバラバラの紙片を、家政婦は“パブロール”
(Paperoles)と命名していた。〜《A la recherchedu temps perdu》
 走り書きのメモは、パソコン内では図表となって増殖するのである。
 
 長年フランス文学を講じてきた山本邦彦(奈良女子大学教授)君から
みると、摩訶不思議で鼻持ちならない趣向に見えるらしい。
 プルーストに対するジードの視点だと解釈すれば光栄きわまりないが。
 
 晩年の与太郎は、バルザックの“人間喜劇”をイメージしている。
 自伝体系として《虚々日々》《去々日々》《伊甲遍路》《双竜外伝》
などの四部作(各256頁)を想定している。
 
 むかし四十肩を経験したが、年令不順の五十肩(六十肩・七十肩とは
呼ばない)があるらしい。原因不明で、ストレスの可能性もあり、半年
から一年後、とつぜん全快したりするそうだ。
(2005-20060204)
 


 Darwin,Charles Robert 博物学 18090212 England 18820419 73 /
 Balzac,Honore de    作家  17990520 France 18500818 51 /
 Gide,Andre       作家  18691122 France 19510219 81 /
 Proust,Marcel     作家  18710710 France 19221118 51 /

 
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 《去々日々 Day is Day 20060131 Awa Library》
 Contents of digital credits ;《抜刷 20060131 阿波文庫》
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   表紙/目次             01
   献辞 〜 抜刷解題 〜         02
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060131
 
 与太郎の歌はじめ            02
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060114
 
 黒白記 〜 大阪外大の人々 〜       03
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060115
 
 歌会始 〜 年譜/御題一覧 〜       03
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060113
 
 ◆ マイ・ボート            04(*Image)
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19690401
 
 出帆記 〜 勇気ある人々 〜        05
 ◆ ピースボート世界一周        05
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060116
 
 老人の海 〜 帆かける人々 〜       06
 ◆ ひとりぼっちの二人         06
 ◆ 妙な男たち             06
 ◆ 貧しい億万長者           07
 ◆ 二人のクリストファー        07
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060126
 
 はてなQ&A 〜 Mexican fisherman 〜  08
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060124
 
 Last Dinner 〜 Final Menu 〜       09(*Image)
 
 海の鐘 〜 デェメル/森 鴎外・訳 〜    09
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20031118
 
 老いらく考 〜 歌よむ人々 〜       10
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060120
 
 西洋講談 〜 現代人の老化と文明の疲労 〜 11
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20051110
 
 老師老弟 〜 岩倉から田辺へ 〜      12
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20051111
 
 落第生は二度眠る 〜 清水先生講義録 〜  12
 ◆ ラスプーチン、かく語りき      13
 ◆ 夜汽車の女             13
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20051112
 
 恩師の条件 〜 テッちゃんの訃報 〜    14
 ◆ 断筆事件/恩師列伝         15
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20050914
 
 クレマチス 〜 歌のあとさき 〜      16(*Image)
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20060114
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作成日: 2006/02/05


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