与太郎文庫
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2004年02月16日(月)  19870216-0218 カバレフスキーの命日

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20040216
 
 十年前、すなわちインターネット以前の最新情報は、もっぱら新聞に
依存していた。信頼できる文献や書籍は、古すぎる内容が欠点だった。
 いかに立派な人名辞典でも、生存中に掲載された人々が、刊行直後に
亡くなることもあった。おおくの研究者たちは、新聞の死亡記事で発見
した没年月日を、そのつど人名辞典に(手書きで)追記していた。
 ときに、ささやかな誤植を発見すれば、出版社あてに手紙を出したり、
編集者に電話で伝えることもあった。
 このような作業や行為を、バカバカしいと考えるならば、書籍の形態
を否定することになる。書籍文化が、あっけなく王座を追われたことに
気づかない編集者と読者たちは、あたらしい革袋で古い酒を酌みかわし
つづけるであろう。
 
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 Kovalevskii,Dmitri Borisovich 1904.12.30-79.
 ソヴェートの作曲家。モスクワ音楽院でミヤコーフスキー*に作曲を
学ぶ。豊かな才能と広い教養により極端に走らず折衷主義的傾向を示し
ている。[主作品]交響曲4(第3番は Requiem と副題され、レーニン
追悼の合唱を含む)。歌劇:クラメシの親方(ロマン・ロランの《コラ・
ブルニヨン》の歌劇化。ピアノ協奏曲1。
── 《岩波西洋人名辞典・増補版 19811210 岩波書店》P0348
 
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 十年前、もっとも(あるいは唯一)信頼できる西洋人名辞典にして、
いかなるガセ情報によったのか、八年はやく死亡年を印刷してしまった
例である。
 さらに、この著名な作曲家は、実際に死んだ日付も三通り報道された。
 
 かねがね共産圏のニュースは日付があいまいで、通信社も困っている
にちがいない。
 そもそも誕生日や命日を重んじるのは、宗教的慣習である。
 革命記念日など特定の日付を除いて、唯物論の立場から運命的な意味
を認めない。したがって中国や朝鮮の《現代人名辞典》は、いままでの
ところ存在せず、台湾や韓国でも刊行された形跡がない。
 占星術や迷信のたぐいは、ヤミ市場のものである。
 
 北朝鮮の盛大な誕生式典は、もっぱら独裁者父子を崇拝するためで、
共産主義や儒教的背景によるものではない。
 戦前の日本でも、天皇誕生日の前身“天長節”が偏重され、前天皇の
“先帝祭”も出現している。初代天皇の誕生日でもある即位記念日を、
もっともらしく“紀元節=建国記念の日”などと称しているが、たんに
旧暦の元日(新月)であったにすぎない。
 


 カバレフスキー 作曲 19041230 Russia Soviet 19870217 82 ──《道化師》
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 生没諸説一覧
 
19041230-19870217 82(通説)
19041230-1979‥‥ 74《西洋人名辞典 19840620》P348(誤記載)
1904‥‥-      《名曲解説全集 19630305》刊行時生存
1904‥‥-19870217 82《山陽新聞   198702..》
1904‥‥-19870218 82《読売新聞   198702..》凡19870216,
1915‥‥-19870216 72《読売年鑑   19880301》P509 生年逆算 
《読売人名録  19880301》追悼録不記載
19041230-19790218 82《Dimitri Kabalevsky, a biographical sketch》
http://www.fortunecity.com/victorian/brambles/48/kabdoc2.html

 
(20160204)
 


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