与太郎文庫
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2003年05月06日(火)  幼辞苑 〜 あげてもらう 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030506
  
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■幼辞苑(0)電車の中
 
 哲学者ウィリアム・ジェームズが電車のなかでこんな経験をした。よ
その子供が騒いでうるさい。彼はイライラしてきた。その子の母親に、
あなたの子供が乗客みんなの迷惑になっているが分っているのですか、
と尋ねた。そこで一人の男性の乗客が言った。
「君、レディに対してよくもそんな失礼な態度でものを言えたものだな」。
 哲学者はかんしゃく玉を破裂させた。もう一度言ってみろ、ぶん殴る
ぞ、と威嚇した。その男は繰り返して言った。哲学者ジェームズはさっ
きの威嚇を実行しなければならない羽目におちいった。乗客は総立ちに
なった。男が裁判に持ち込むつもりなら、彼のために証人になると口々
に味方した。騒ぎはなんとか収まった。哲学者は、うっとおしい気分の
まま坐った。自分が周囲の嫌悪の対象になっていることをひしひしと感
じた。彼は自分に同情してくれそうな婦人の顔を見つけて、その人に言
った。「あなたは理解していただけますね、奥さん……」。しかし、そ
の婦人は腹立たしげに彼をさえぎって言った。「よくも私に口なんか利
くわね、この獣…」。
── Wilson,Colin & Seaman,Donald/関口 篤・訳
《現代殺人百科 19881110 青土社》P030-031 まえがき

■幼辞苑(1)やる
 
 [水難事故] 池に転落の小1男児死亡 母親も重体 北海道
 2003 年 5月 5日 [毎日新聞]
 5日午前10時45分ごろ、北海道歌志内市西山の上砂川町水源公園
で、札幌市中央区北4西28、会社員、弓良芳雄さん(50)の二男で
市立日新小学校1年、峰央(みねお)ちゃん(6)が、公園内の池(横
30メ─トル、縦20メ─トル、水深2メ─トル)に転落。芳雄さんと
妻の麻子さん(44)、長男で市立向陵中学校1年の迪也(みちや)さ
んが助けに入ったが、4人ともおぼれた。
 峰央ちゃんと麻子さんは駆け付けた救急隊員に救助され、砂川市内の
病院に運ばれたが、峰央ちゃんは約6時間後に死亡、麻子さんは意識不
明の重体となった。芳雄さんと迪也さんは公園管理人らが投げ入れた浮
き輪を使って自力で脱出した。
 道警赤歌署の調べでは、4人は3日から上砂川町にある芳雄さんの実
家に帰省。この日は午前10時半ごろから同公園に来て遊んでいた。峰
央ちゃんは池のニジマスにエサをやっていて、誤って転落したらしい。
 同公園は同町の上水道の水源地に併設され、同町が管理していた。池
は水源の水質監視用の貯水池で、池の回りには高さ約60センチの立ち
入り防止柵が設けられていた。【昆野淳】( 2003-05-05-17:47 )
 
■幼辞苑(2)あげる

 6歳が池に転落死、家族3人が飛び込み母親も重体
 2003 年 5月 5日 Yomiuri On-Line
 5日午前10時45分ごろ、北海道歌志内市西山44、上砂川町水源
公園「ニジマスの池」で、家族4人で遊びに来ていた札幌市中央区北4
西28、会社員弓良芳雄さん(50)の二男で小学1年の峰央君(6)
が池に転落。弓良さんら家族3人が、助けようとして次─と池に飛び込
んだ。
 峰央君は、駆けつけた消防署員らに救助されたが、搬送先の病院で間
もなく死亡した。母の麻子さん(44)も意識不明の重体。長男で中学
1年の迪也君(12)と弓良さんは命に別条はないという。
 池は長さ40メ─トル、幅20メ─トル。水深約2メ─トルで、当時
の水温は8度。赤歌署は峰央君が池のニジマスにえさをあげようとして
誤って転落したとみている。
 弓良さん一家は3日から上砂川町の実家に帰省中だった。


 弓良 峰央 芳雄(50)の二男  1997 北海道 志内 20030505/06 溺死
♀弓良 麻子 芳雄の妻/峰央の母 1959 北海道 志内 20030506/44 多臓器不全0505意識不明
 弓良 芳雄 麻子の夫/峰央の父 1953 北海道         建築事務所勤務
── http://www.jia-hok.gr.jp/kenchikten/paneru/p40.JPG


■幼辞苑(3)与える

 「動物保護は義務」と主張=
 「タマちゃんに餌まいた」と説明−白装束集団
 2003 年 5月 5日 時事通信
 白装束集団「パナウェ─ブ研究所」は、5日朝、岐阜県清見村の村道
で取材に応じ、横浜市の帷子川で目撃されたアゴヒゲアザラシ「タマち
ゃんに餌を与えた」などとして、捕獲騒動への関与を公式に認めた。集
団関係者が実質的に借りている山梨県大泉村の別荘地には、タマちゃん
用の飼育用プ─ルがあることも既に明らかになっているが、タマちゃん
を捕獲しようとした団体代表は、集団との関係を否定している。
 タマちゃんとみられるアゴヒゲアザラシは昨年8月、多摩川に初めて
姿を現して以来、鶴見川、帷子川などで目撃され、現在は埼玉県の荒川
に生息している。
 「タマちゃんのことを想う会」の粟野裕司代表(39)らは3月11
日早朝、横浜市西区の帷子川でタマちゃんを捕獲しようとして失敗。同
月16日には川にホタテやハマグリをまき、抗議する市民らとの間でト
ラブルになった。今月4日には「餌を食べたか確認する」として、帷子
川に潜った。
 関係者によると、集団は「5月15日人類が滅亡する。タマちゃんを
救出すれば助かる」などと荒唐無稽(むけい)な自説を展開していると
いう。
 集団の男性メンバ─は5日朝、岐阜県清見村で「タマちゃんが哀れだ」
「助けるために餌やりを断行した」などと書かれた千乃裕子代表(69)
の声明を公表。メンバ─も「動物を助けるのは人間の義務だ」などと話
し、当時、神奈川県知事に提出した意見書のコピ─などを報道陣に配り、
餌の領収書も見せた。

■幼辞苑(4)似てる

 白装束集団、「オウムに似ている」=強制捜査3度、
 全国に排除指示−警察庁長官(時事通信)
 2003年05月01日 18時24分
 佐藤英彦警察庁長官は1日の定例記者会見で、白装束を身に着け岐阜
県内で林道を占拠している「パナウェ─ブ研究所」について、「異様で
オウム真理教の初期に似ている。違法行為があれば厳正に対処する」と
述べ、全国の警察本部に対し、あらゆる法令を使って排除に乗り出すよ
う通達したことを明らかにした。
 警察庁によると、パナ研は「正法」の名称で活動することもあり、現
在山梨県内に施設を建設中。会員は全国で約1200人いる。
 2001年以降、京都、福井など6府県で住民とトラブルを起こして
いる。広島県内の山林所有者に倒木の撤去を強要する手紙を送り付けた
として、1998年10月、関係先計10カ所の家宅捜索を受けるなど、
警察当局の強制捜査を受けたことが3度あり、91年12月には、「わ
れわれの活動を妨害する者から身を守るため」と主張し、福岡市内でナ
イフを所持していた男性会員1人が銃刀法違反容疑で逮捕された。 
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 警察庁長官というポストは、とくに哲学的な発言を求められる立場に
はないらしい。19代就任時(20020802)の人物紹介は幼辞苑(5)参照。
 
 きのうから《与太郎文庫》のアクセス数が異常に伸びている。
 こんどのキ─ワ─ドは「タマちゃん」と「白装束集団・パナウェ─ブ
研究所」から「千乃裕子・出身」に焦点が移動している。
 ゴ─ルデン・ウィ─ク明けの、ワイドショ─効果(?)かもしれない。
 よく見ると、二月中旬の「隠し子の母」まで復活ヒットしているのだ。
これを上まわる勢いだが、はたして長期的にはどうか。
 隠し子の件は、下記の《与太郎文庫》に集約される。
♀ 日置 明子(籍=同)歌手 19740205 鳥取 1995debut1999改名=sono
(20030213発覚200201・・出産[A])← 2003/02/19 (水) 隠し子の母
 
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■幼辞苑(5)いまただ

 「毎日の視点・ひと」19代警察庁長官に就任する佐藤 英彦さん
>>20020802(毎日新聞東京朝刊から)
 佐藤 英彦 <さとう・ひでひこ=東京都出身。東大法学部卒。95年
埼玉県警本部長、96年警察庁刑事局長、99年大阪府警本部長、00
年警察庁次長。57歳。>
 
 今がすべてだ、とっさの判断が大事
「端的只今(たんてきただいま)」(「葉隠」の一節)
 知り合いから聞いたこの言葉が、好きだ。「いつ死んでもいいように、
その時、その時を精いっぱい努力することと、自分は解釈している」
 これまでに、辞表を3度書いた。一つは、警視庁刑事部長の時。暴力
団対策法施行直後の92年5月、民事介入暴力を題材にした映画「ミン
ボ─の女」を公開したばかりの故伊丹十三監督が暴力団に襲われた。
 「刺客」を使った手口だけに証拠が足りない。なんとか5人を逮捕し
たが、全面自供に追い込めなかった。不起訴となれば社会的批判を浴び
るのは確実だった。「暴力団が出所祝いのすしを注文した」との情報さ
え流れた。
 「あの時は、検察がぎりぎりまで粘って証拠固めをしてくれ、辞表を
出すことは免れた」
 判断が揺るがない。そんな気質は、青函連絡船の船長だった父親譲り
だ。1954年9月、函館港を出港した「洞爺(とうや)丸」が台風に
巻き込まれ沈没し、死者・行方不明1155人の大惨事になった。青森
側の「羊蹄(ようてい)丸」は、天候に不安を抱いた船長の判断で運航
を見合わせ難を逃れた。その船長が父親だった。
 今、治安の悪化を懸念している。「まだ、日本はいい方だ。しかし、
ここで警察がやらなくて、誰がやる。踏ん張って、元に戻していく。国
民の協力もお願いしたい」
 難局に立ち向かう姿勢は一貫している。
<文・大坪信剛/写真・岩下幸一郎>
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