与太郎文庫
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http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030210 Ex libris Web Library;渡辺 茂夫(56)季彦(89) http://madonna-elegance.at.webry.info/201208/article_28.html 渡辺 茂夫(天才バイオリニスト)の晩年の40年間の介護 ■ 谷本先生へ お変りありませんか。 ことし二月一日は、旧正月の元旦です。ちょうど陰暦と陽暦の日付が 一ヶ月おくれで一致します。 一月十四日、先生のお誕生日は陰暦では十二日でしたから、俗説では 満月にむかって気分が高揚するはずのところ、奥様が入院中で、風邪を 召されたとか、さっぱりでしたね。 わたしの誕生日(一月二十日)は陰暦十八日で、それなりに高揚して、 一気に100ページちかいレポートをまとめることができました。その 後は急速にダウンして欝状態となり、与太郎日記も休載中です。 満月にむかって気分が高揚する、という俗説の起源は、そもそも夏至 の満月を中心に古代オリンピアードが四年周期で開催されたことに由来 するのですが、いまや現代人は、月の引力を体感できなくなったのか、 あるいは(個人的な)心理的重圧が濃くなったのでしょうか。 渡辺 茂夫(1941 東京 19990813,58)のヴァイオリン演奏をお聴きに なりましたか? 15歳で渡米、16歳で自殺未遂、睡眠薬による脳障害で 帰国、父・季彦氏の介護は四十年をこえました。 天才少年時代の演奏はCDで復刻されています。一聴にして耳を奪う 緊迫感があり、おすすめの一品です。 (最近のわたしは、ほとんどCDを聴かないことにしています。あっと いうまに時間が経ってしまうので、本来の作業がはかどらないのです) 留学生の挫折では、ピアニスト・久野 久(ひさ子)の例が有名です。 (1884 大津 Wien 19250421,41 飛降自殺)19230412 出航 07‥ Berlin 着1924文部省海外研究員/東京音楽学校教授/日本女子大学校教授。 彼女は幼少のおり片足に障害があったそうです。この話を知ったあと、 有賀 のゆりさんを思いだして《虚々日々 〜 然かざりき 〜 P056》を 書いたところ、のゆりさんから、なつかしい手紙をいただきました。 先生の、奥様への愛情あふれる日々に、例によってとりとめないこと を書きました。たえざる敬意と祈りをこめて。 ではまた。 (陰暦十日、月齢7.9) 与太郎 こと 阿波 雅敏 ■ 《音楽よもやま談義》読んでいます。 錦生 如雪 様 Mail'20030210 15:46 前略。 《ヴァイオリンの誕生・他》たいへん興味深く拝読しています。 わたしは、いくつかの楽器と製作者にめぐりあっています。 高校時代に鈴木政吉製のチェロを愛用したこと、これを峰沢峰造氏に 再塗装の相談をしたこと。若き日の無量塔蔵六氏に出会ったこと。もと 辻久子さんのヴァイオリン日龍・月龍(いずれか?)を手にしたこと。 これらのエピソードを私家版《双竜外伝》にまとめるつもりでしたが、 このたびようやく信頼できる“本伝”にめぐりあったのです。 いずれ、わたしのホームページ《与太郎文庫》で公開いたしますが、 とりあえず御礼まで。 追伸。下記の人名は、たぶん誤植のようですね。 《ヴァイオリン教師の四方山話》:鈴木 鎮市→鈴木 鎮一 草々 与太郎 こと 阿波 雅敏 http://chauchaw.web.fc2.com/hafuna-48.html ── 《音楽よもやま談義・ヴァイオリンの誕生(その10) 20020523 》 http://godmuses.hp.infoseek.co.jp/hafuna-48-14.html ■ 終わらない悲劇 …… 先日、「驚きももの木20世紀」(テレビ朝日系)を見た。この 番組は20世紀を生きた人物を取り上げるという点を除けば、基本的に 「知ってるつもり」となんら変わりのない番組である。司会は三宅 裕司 と麻木 久仁子だ。 タイトルは「ある神童の悲劇 バイオリニスト渡辺茂夫物語」、僕も 以前にテレビでこの渡辺茂夫のドキュメントは見たことがあるので、知 っている人も多いだろう。 渡辺茂夫は日本が泥沼の太平洋戦争を始めた頃に生まれた。母はバイ オリニスト、そして、茂夫が4歳の時、継父となった季彦も国内では著 名なバイオリニストであった。 日本が戦争に負け、国を挙げての復興の中、茂夫は父によりスパルタ 教育を施され、バイオリン漬けの幼少時代を過ごす。そして、7歳の時、 音楽会で大人でも難解な曲を弾きあげ、一躍「天才少年 現る」と脚光を 浴びた。後にバイオリンを弾く少年の役で映画にも出演し、茂夫の名は 全国に知れ渡ることとなる。 小学校を卒業し、中学に入学した頃、運命的な出会いはやってきた。 「20世紀最高のバイオリニスト」といわれた「ハイフェッツ」の来日、 父、季彦も憧れるバイオリニストである。茂夫は幸運にもハイフェッツ の前で、演奏する機会を得た。しかし、この出会いこそ悲劇の始まりだ ったのである…。 極度に緊張したという茂夫の演奏を聞いたハイフェッツは、一発で 茂夫に惚れ込んだ。「私は日本で天才少年を発見することができた」、 ハイフェッツがアメリカに帰るとすぐに茂夫のもとに手紙が届いた。 「アメリカに来ないか?」 こうして、海外への渡航もままならない時代に、茂夫は、かの有名な ニューヨークのジュリアード音楽学院に、授業料免除の特待生として、 アメリカに渡った。 この時、茂夫は14歳、ジュリーアードでは史上最年少の特待生であっ た。 そこでも茂夫の才能は群を抜いていた。伝説の教師といわれたガラミ アン教授は茂夫を自宅に寄宿させ、レッスンをする。夏には、生徒たち が保養地に行き、音楽漬けの日々をおくる。ここは、「ガラミアン学校」 と呼ばれ、最終日には、弦楽4重奏が行われる。当然、選ばれるのは ガラミアンのお眼鏡にかなった者だけだ。もちろんバイオリンは茂夫だ った。 この時、ビオラを弾いていた女性は当時の茂夫を振り返りこう語った。 「茂夫は20世紀のモーツァルトだったわ……」 しかし、茂夫は少しずつ病んでいった。言葉の分からない異国での生 活、自分が長らく信じてきた演奏方法をガラミアンに直されるという苦 痛。次第に茂夫は学校に行かなくなり、ガラミアンの家からも出ること になった。 身を寄せたのは、アメリカ日本協会の家庭、茂夫は日本への帰国を希 望するようになるが、「日本から招いた特待生をこんな状態で返すのは まずい」というアメリカ側の思惑もあり、それはかなわなかった。 茂夫がここで描いた1枚の絵、そこにはベッドに鎖でつながれ、バイ オリンを弾く少年の姿があった。 そして、茂夫は精神病院に通院し、回復をみせる。退院後は一人暮ら しを始め、ようやく日本へ帰れる目途がついた矢先、茂夫は自殺を図っ た。渡辺茂夫16歳の秋である。 病院に担ぎ込まれた茂夫はかろうじて、命をとりとめた。しかし、や っとの思いで帰国した茂夫は、もはや、バイオリンを弾くことも、自ら の足で立つことも、話をすることも出来ない身体になっていた。 平成10年、茂夫が自殺を図ってから40年が経っていた。茂夫は今でも、 鎌倉で父と2人で暮らしている。40年間、口を利くこともなく… 父の懸命の介護によって何とか人の力を借りて歩けるようになったが、 56歳になった茂夫はまるで老人のようだった。喜怒哀楽はあるが、反応 は鈍く、赤子のようでもある。40年という月日の流れ… 今でも父は信じている。「茂夫が自殺なんてするわけが無い、茂夫は 体裁が傷つくことを怖れた人々に殺されたんだ。ギャングに殺されたん です…」、確かにこの事件に大きな力が働いた可能性がまったく無いと は言えない。父季彦は確信している。しかし、真相は闇の中だ。 「神童」がその才能を自らの意志で葬り去ろうとしたあの時から40年、 父は未だに目の前で物言わぬ息子の自殺を信じられない。 悲劇は終わっていないのだ……… 《夢まんじゅう vol. 6 19980526》 http://www1.nisiq.net/~yojiro/yumeman6.htm …… 向いの角から3軒目まで90歳のお年寄りが一人づつ住んでいる。 角の家には、有名なバイオリ二ストだった渡辺さん。蔓バラに囲まれた 家からは、いつもクラシック音楽が流れ、時折手入れをなさっている。 天才といわれたご子息を一昨年亡くされたが、変わらずお元気そう。 2軒目の家のおばあさんは、昨秋以来、入院されたままで門冠りの松 が枯れてしまっている。3軒目は、ときどきお医者様の往診の車が停ま っている。一昨年までは、リュックを背に杖をつきながら買物から帰っ て来られたり、玄関を丁寧に掃いていらっしゃる姿を見かけたが、ここ のところ、静かだ。 老いはこうしてやって来ることを目の当たりにしている私。 ── 《Diary <4月> 20020426 Miki's World》 http://homepage2.nifty.com/morimom/starthp/subpage21.html ■ 渡辺家の人々
渡辺 季彦 Violon 1909‥‥ 東京 20120610 103 /鈴木 満枝の叔父/ヴァイオリン・スタジオ ♀渡辺 美枝 19‥‥‥ 東京 /季彦の妻/1946 茂夫の養母 ♀鈴木 □□ 19‥‥‥ 東京 /満枝の妹 ♀鈴木 満枝 Violon 19‥‥‥ 東京 /渡辺 茂夫の生母 渡辺 茂夫 Violon 19410626 東京 19990813 58 /19571102(16)0815 訃報(Wikipedia) ──────────────────────────────── 栗原 幸信 Violon 19910705 東京 /渡辺 季彦門下
1945‥‥ 両親の離婚で渡辺家の養子に 194812‥ 初のリサイタル(巌本 真理が絶賛) 1949‥‥ 映画《異国の丘》出演 http://d.hatena.ne.jp/sugiee/20050630 小学校6年《ヴァイオリン協奏曲、オペラ、ヴァイオリン・ソナタ》作曲 クラウス・プリングスハイムに評価。 19550705 渡米 19571102 睡眠薬を大量服用。1105 家族に危篤を告げる電報が届いた。 195801‥ 家族の要請により日本に送還、以後在宅療養。 ── 《神童 幻のヴァイオリニスト 19960724 東芝EMI》 ── 山本 茂《神童 19981210 文芸春秋》 http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4163513302 “寒月の右手”につづく。 http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%B4%A8%B7%EE%A4%CE%B1%A6%BC%EA アウアー vs ガラミアン奏法(運弓法)の対立(未完)。 新井 正夫氏への書簡“天才少女少年伝”参照。
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