与太郎文庫
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2002年12月07日(土)  賢治のセロ

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20021207
 
■2002/12/07 (土) つぎの放送予定は?
 
 20021123 放送の、藤原 真理・独奏/丸山 和範・編曲/サン=サー
ンス《白鳥》は、名曲・名演奏・名編曲でした。指揮者・管弦楽団と、
つぎの放送予定(12月には掲載なし)を教えてください。ビデオ発売
の予定はありますか。          阿波 雅敏
 
 『名曲アルバム』お便りコーナー
 貴重なご意見をありがとうございました。
これからの番組作りのための大切な資料にさせていただきます。
ありがとうございました。        18:00 送信(返信なし)
 
→2002/12/24(火) 18:20 名曲アルバム
 藤原 真理・独奏/沼尻 竜典・指揮/東京フィルハーモニー交響楽団
── ドボルザーク《チェロ協奏曲 第2楽章》
 
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 宮沢賢治のチェロを弾いて
 
宇治 それで患者さんたちが直るいい契機になるといいですね。ところ
で、宮沢賢治の記念祭のときに賢治のチェロ(1926 K Mと賢治の自筆
と思われるイニシアルが内部に書かれている)で演奏されましたね。
藤原 2000年には賢治のチェロをメインに使わせていただけたのです。
アンコールに1曲だけ自分のチェロで演奏会をやりました。宮沢賢治の
チェロは大正何年かのスズキ製ですね。すごく丁寧に作られている楽器
です。ふだん私がやっているような演奏会の全曲を賢治のチェロでとこ
とん弾けと言われたら、それはつらいものがありますが、非常に丁寧に
作られていますから、なかなか味わい深い音が出ます。共感を覚えてく
ださった方が多くて、来年とはいかないまでも、せめて隔年2〜3年に
1回は通って演奏したいですね。やはり楽器は音を出してこそ楽器であ
ると、時々は振動を与えてあげたほうがいいですから。
宇治 本を読みましたら、何か因縁があったのだそうですね。あのチェ
ロは……。120円で買ったとありました。
藤原 120円でしたか。でも当時としては大変な、退職金だけでは買え
ないぐらいではないですか。
宇治 チェロの胴の中に「スズキバイオリン」のラベルがあったと本に
書いてあります。賢治が友達の藤原嘉藤治さんのチェロと交換をしたこ
とで結局火事から免れた。
藤原 それで今、残っているのですね。
宇治 一部塗料がはげていたとか書かれていましたが、実際はどうでし
たか。
藤原 塗料のことを私達ニスと言うのですけれども、そんなに目立って
ありませんよ。
宇治 藤原嘉藤治さんのは、穴が空いていたそうです。
藤原 私もそういう記事を読んだことがあります。でも、それはもしか
したら表板の胴体のところにf字口というものがあるのですが、そこの
穴のことではないですか。今、本に出ている『セロ弾きのゴーシュ』な
んかの穴は、f字口のことだと思いますね。すごく粗末な楽器で、どこ
かに破れた穴が空いていたというわけではないみたいです。
宇治 藤原嘉藤治さんのは180円だったと。
藤原 中古だったからちょっと安かったのですか。今は多分ススキ製と
いっても、板を機械で型抜きして張り合わせてというのが、大半だと思
うのですけれども、なかなかいいものではないでしょうか。
http://www1.doc-net.or.jp/~hodanren/hdr_m/2000/PDF2001-01/bunkaetc.pdf
── 《新春対談・自然との共生、音楽と医療 200101‥ 月刊保団連》
 
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 ● 宮澤賢治のセロ
 
 セロの内側のラベルには[No.6,Manufactured.Masakichi,Suzuki,Nagoya]
とあり、賢治が自分で記したと考えられる<1926K.M.>のサインがある。
 その第6号は、鈴木のセロでは最高級品で大正15年当時、170円だっ
た。
 昭和7年10月1日、盛岡洋楽協会第1回演奏会が県公会堂第一ホール
で開かれ、賢治の親友・藤原嘉藤治(セロ)が主宰する花巻クワルテット
も出演した。
 おそらくこの演奏会の直前だろうと、私は推測しているが、病床にあ
った賢治は自分のセロを、50円で買ったという藤原の<孔あきセロ>と
取り換える。
 そのとき、宮澤家の蔵から賢治のセロを運び、藤原に手渡したのが宮
澤清六さんである。
 その後、花巻空襲で藤原の<孔あきセロ>も焼失したが、賢治のセロ
は藤原が大切に保管していた。
 そのセロが宮澤家に戻り、初めて修復されたのは昭和32年11月である
1995年12月修復:久泉清之(東京・調布市在住)。宮澤賢治記念館所蔵。
 
 ● 宮澤トシのヴァイオリン

<W5,Manufactured,Masakichi,Suzuki,Nagoya>、明治40年当時10円。
 賢治の妹、トシの手製と考えられるヴァイオリン用の布袋に<宮澤ト
シ子>と自署している。
 花巻高等女学校の2代目の音楽教論・鈴木竹松(大正3年東京音楽学
校甲種師範科卒、大正3年3月着任、大正5年3月退職)は、課外でヴァ
イオリンを教えたので、このとき、トシも習ったらしい。
 賢治はトシの遺品のヴァイオリンを、花巻農学校の生徒でガラクタ合
奏団のメンバーの一人でもある柳原昌悦に貸与した。
 柳原は1989年2月に死去。
 その後、柳原夫人・こみさんが宮澤賢治記念館に寄贈した。
 1995年12月修復:久泉清之
 
http://www.iwate-np.co.jp/kenji/tkkncd.html
── 《岩手日報と賢治 19‥ 岩手日報社》
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http://d.hatena.ne.jp/adlib/19200801
 生没点描 〜 内田夫妻の誕生日 〜
 


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