http://d.hatena.ne.jp/adlib/19581126
── 校庭の木の葉も黄ばみ秋風と共に散りゆく晩秋のひと時を美しい
メロディー(たまにはきずがありましたが)に我々を陶酔させて下さい
ました器楽部部員の皆様方とその指導者の方々に感謝いたします。
あのように立派な会をもつ事の出来る様になったクラブにまで持ち上
げられた貴兄と部員達の努力に協力出来なかった私としては恥かしい思
いで胸が一杯です。
けれども第一回のポピュラーコンサートをもった事によって同志社高
校の生徒や教諭達に器楽部の存在を認められただけでなく部としての新
しい第一歩を固く踏みしめた事は動かせない事実であると私は確信いた
します。今後もますます努力せられて一歩一歩前進されん事を心より御
拝りします。
この会を終えたのに次は自分の入試の事で追いまわされなければなら
ない貴兄の気持は僕にも充分理解できる様に思います。而し僕は貴兄が
今迄の事を悔い、これからの事であせる必要は全くない様な気がします。
それは一年を棒にふり、クラブ活動に努力せられた貴兄の苦しみは立派
に今ここに実を結んだからであります。後は現二年生の盛り上がる力に
バトンをゆずり思う存分勉学に励しむ事のできる立場におられるのです。
後輩ながら無礼な口をきいた事をお許し下さい。ではくれぐれも健康に
御注意下さい。さようなら 竹内 宏一 ── (Let'611 19581126)
京都薬科大学受験のため、惜しまれて退部した後の心こもる手紙。
メンバーの間では、初代コンサートマスターを“大きい竹内”と呼び、
二代目を“小さい竹内”と区別していた(上掲書簡)。
三代目は杉林博子だが、最後の文化祭では、ハイドン《弦楽四重奏曲
“セレナーデ”》の第二ヴァイオリン高木慶子を独奏者として、両嬢の
処遇は配慮されている。
はじめての「有料演奏会」は入場料十円也、受付担当の報告によれば、
杉井先生は招待状を提示した上で、金三十円をカンパされたという。
四年目の高校生活も、終りが近づく。受験も気になるが、手塩にかけ
たオーケストラの将来に期待もある。楽器はまだまだ足りない、とくに
ティンパニーが必要だ。十字屋でミニサイズの新品が九万円で出たと聞
いて、校長室のドアをノック。就任直後の高橋 勘 校長に直訴する。
「金を貸してください、後輩たちが三年かけて返します」
新校長の即断即決で、契約が成立した。(Day'19870928)P060参照
のちにファゴット奏者としてフランスに留学・定住する若林通夫君が
登場するのは翌年(与太郎が卒業後)の演奏旅行からである。
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(第一回・校内ポピュラーコンサート 1958・11・25(火)P.M.3:20〜5:00)
後年、北海道大学薬学部を中退して京都音楽短期大学に在籍していた
チェリスト・白石 将 氏と親交を結ぶ。彼もまた学生オーケストラ出身、
管弦楽伴奏でサン・サーンス《白鳥》を独奏したことが、忘れられない
経験であるという。
第一回 校内 ポピュラーコンサート
日時 1958年11月25日 火曜日 3:20 〜 05:00 P.M.
場所 同志社高校チャペル
演奏 同志社高校シンフォニエッタ
指揮 宮本 寿之/阿波 雅敏/馬場 久雄
独奏 佐伯 和男/新開 一朗/杉林 博子/松谷 吉蔵/阿波 雅敏
ピアノ伴奏 中川 幸子
司会 難波江 久代
曲目 (別記)
¥ 30.
広告 京都産院/藤井大丸/紙泉堂/Juhachiya/他
主催 同志社高校器楽部
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GUESTS OB 宮本寿之
MC 難波江久代
ピアノ独奏 松谷吉蔵
ピアノ伴奏 中川幸子
ARREANGE OB 吉田 肇
(映画音楽)《真夜中のブルース/太陽がいっぱい/真珠採り》他
BASSOON/FRENCH-HORN 2C 新開一朗/DOUBLE-BASS 3F 阿波雅敏
新開君は、このころすでに同志社大学交響楽団からファゴットを借り
出している。¥ 30.(初の有料)
このプログラムは、本宮蔵書による。
同志社高校管弦楽団 ポピュラーコンサート (演奏旅行)
日時 1959年08月18日 火曜日 夕7時
場所 近江兄弟社教育会館/他
演奏 同志社高校シンフォニエッタ
指揮 阿波 雅敏/有賀 誠一/吉田 肇(編曲)/馬場 久雄(楽器紹介)
曲目
ビゼー《カルメン》“前奏曲”
ビゼー《アルルの女》“間奏曲/メヌエット”
ヴィヴァルディ《ヴァイオリン協奏曲》 杉林 博子
ベートーヴェン《エグモント序曲》
《アンダルシア》《虹の彼方に》《真珠採り》《碧空》
モーツァルト《アレルヤ》〜アンコール〜 佐伯 和男
入場無料
ドビュッシー《雨の庭》 革島 良子
モーツァルト《フルート四重奏曲》 有賀 誠一
斉藤 高順《弦楽四重奏のための今様》
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渡辺 三郎氏(わたなべ・さぶろう=元近江絹糸紡績<現オーミケン
シ>労働組合初代組合長)7日午前7時31分、心不全のため大阪府豊中
市の国立療養所利根山病院で死去。66歳。岡山県出身。自宅は大阪市中
央区内久宝寺町4の3の6。葬儀・告別式は9日午後1時から大阪市中
央区農人橋1の4の21、南大江会館で。喪主は妻静子(しずこ)さん。
昭和29年に、結婚や外出の自由などを会社側に要求し長期ストを行っ
た「近江絹糸争議」を労組トップとして指導した。
―― 《死亡記事 19951009 山陽新聞》
斎藤 高順 (1924〜 )Takanobu SAITOH 作品一覧
父は作曲家、斎藤太計雄。東京音楽学校研究科作曲専攻を卒。作曲を
池内友次郎、信時潔、細川碧、金子登に師事。自由作曲家協会会員。映
画やテレビなどのための音楽も多数制作していた。
吹奏楽作品は、自身が所属していた航空自衛隊音楽隊のための作品が
多く目をひく。 行進曲が多く、また、自然保護や交通安全、といった
願いをこめていることも多い。
「ヴァイオリン、ハープ、打楽器のためのコンポジション」、歌曲
「風鐸」、「岩魚」、「今様」(orch.)
第二回 校内 ポピュラーコンサート
日時 1960年02月19日 金曜日
場所 同志社高校チャペル
演奏 同志社高校シンフォニエッタ
指揮 大橋 俊治
曲目《?》
¥ 30.
広告 ?
主催 同志社高校器楽部
第三回 校内 ポピュラーコンサート
日時 1961年06月26日 月曜日 3:30 P.M.
場所 同志社高校チャペル
演奏 同志社高校シンフォニエッタ
指揮 若林 通夫
曲目
ビゼー《アルルの女“間奏曲/メヌエット//”》
モーツァルト《ピアノ協奏曲“ロンド”》 革島 良子
ベートーヴェン《ロマンス in F》* 高木 慶子 ?
《風船旅行》《太陽がいっぱい》《ひき潮》《つばめ》
etc.
¥ 30.
広告 マツヲ楽器店
主催 同志社高校器楽部
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── 我々のミスをお赦し下さい
── 若林君の手紙 Let'19610613&19610627
(2006/01/09)