マキュキュのからくり日記
マキュキュ


 冬眠ならぬ夏眠をしていました。


アタシは嘘が下手で、何もそんな事まで日記に書かなくても・・・・・・と思われるような事でも、極力正直な生き様や出来事やその場の心境等を赤裸々に書き綴って来ました。
奇麗事や、ポジティブ思考ばかりを書き連ねていれば、読み手は気分も良いのだろうし、ああ・・・明るく健全に日々を頑張ってるんだなぁ・・・・・・。とも思ってくれるでしょう。
でも、アタシはやはり、正直な喜怒哀楽苦をありのままに書いていく事こそがアタシらしさでもあり、勤めでもあり、読み手が、こんなにダメな人間も他に居るのだから自分はまだまだマシなんだ。と、安心してくれたり、元気にもなって欲しいので、これからも正直に色々な日々の出来事などを書き続けていきたいと思っております。
日々の日記はアタシの遺言状のような物でも有ると思うので出来る限り真実のみを書きたいと思っています。

店をオープンしてから何度かの経営困難危機に直面しました。
そして今回のそれは最大級のものでした。

元々借金苦で、生きる望みも希望も失っていたアタシに、日記の愛読者達や地元の友人が義捐金を募ってくれ、「もう一度マキュキュに店を持たせてあげよう計画」が持ち上がり、今の店を持てたのです。
アタシの顔も本名も知らない人々がただ日記の読者と言うだけで今までの日記の購読料として大切なお金を寄付してくれたのです。

店の経営は長年のブランクも有ったし、こんな不景気で厳しいご時世でもあるし、この年で店をやること自体が一か八かのギャンブルで、かなりの冒険ものでした。
でも、店をやる以外にアタシは何の取り得も無く、パートやバイトを転々としていたアタシは、ほとほと人に使われるのがヘタクソな人間なのだと自分自身に絶望もしていたのです。

ぎりぎり店を借りるだけのお金が集まり、義捐金を打ち切り、ゼロと言うよりは多少のマイナスからのスタートだった店なので、赤字が出れば即店の経営は無理になり、開店即閉店の憂き目に会います。
店の経営が無理になると言う事は生きる術を無くすと言う事です。
なので生きるための最後の砦のような気持ちで店を始めました。

幸い良い常連が大勢居ついてくれ、からくり箱を慕ってくれ、こんなアタシの店を「此処は他の店には無い居心地の良さがある」と誉めてくれます。
しかし、やはりアタシ達夫婦にはまだ借金も多少残っており、月々の支払いも結構あり、商売下手のアタシはいつもギリギリのところで切り抜けてはきたものの時には大きな赤字になる月もあり、良い時に多少の蓄えはするものの、その都度目減りして行き、底をついてしまう事も多々ありました。

何度かの危機を友人に救われ、薄皮一枚のところで乗り越えては来たのですが、今回だけはもう八方塞で、どうしようもない所にまで来てしまいました。
月末までに家賃を含め、どうしても10万ほどのお金を作らなければ店を閉じなければならなかったと言うのに、全財産が僅か1000円・・・と言う所まで来てしまったのです。
仕入れも出来ず、つり銭も無くなり、具合が悪いので休むと数人の客にメールをし、2日3日アタシは家に引きこもっていました。
もう完全な鬱状態です。携帯の電源も切り、何をする気力もなく、唯一の楽しみである日記を書く事も出来ず、夫と「いよいよ練炭買って青木ヶ原にでも行くしかないね・・・」と話をしていたのです。

店は開いてない、日記は途絶えている。心配した親友(M)から「元気・・・だよね・・・?」と言うメールを貰ったのですが、どう返事をしてよいかも解りませんでした。
彼女に内情を話せば助けてくれる事は解っていました。でも、何度も彼女には危機を救ってもらい、又、彼女自身が色々な事を抱え込んでいる人でもあるので、もうこれ以上彼女には負担を掛けたくは無かったのです。
しかし内情を書いたう上で、「友情を壊したく無いから、もう助けなくて良い」とメールをしたアタシに「私たちの唯一の心の拠り所を無くす事は許さない。店を閉じたり、どこかに消えたりしたらその方が友情を壊すことになる」と叱られ、再び彼女の助けを借りる事にしたのです。

一昨日、昨日と店に奇跡が起き、梅雨時期で2週間ほどチンヤリしていた店に物凄い活気が訪れました。
昨日などはほぼ満席になり、数年ぶりに、やはり日記が途絶えている事に何かを感じ取った友人たちが3組も来てくれ、店の必要性とアタシはまだまだ見放されては居ない。人生をまだ諦めてはいけないのだ。と言う教えを知った思いでした。

自分で言うのもなんですが、からくり箱はそんな温かい気持ちを持った、素晴らしい人々が集う場所でもあり、その場所をアタシが守って行く事は、ぐうたら神に与えられた最後の使命などだと言う事をつくづく思い知らされた気がします。
(M)に今回助けてもらったものは来月早々に返せる目処が立ちました。
本当に情けの無い話ですが、アタシは人の助けや愛情が無ければ未だに一人歩きも出来ないバカ人間です。
でも、アタシも違う形で人の励みになれていたり、楽しみになっているという事も確認でき、少し自信を持つ事にしました。
 
夏眠から目覚め、気分一新また歩き出していけそうです。



2008年06月28日(土)

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