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■ (日記) セブンイレブン物語
晴天の霹靂(へきれき)だった・・・・・・。
土曜日の日、店を終わって帰る時にはやっていた斜向かいのセブンイレブンが今日は灯りを消していた・・・・・・。 店には10日前ほどから店仕舞いの張り紙はしていたらしいのだが、アタシが自分の店の足りなくなった氷や焼酎ボトルなどを急遽買いに行く場合は急いでいるのでそんな張り紙を見る余地もなく・・・、店を仕舞うなんて事はおくびにも思って居なかった・・・・・・。
多分店を閉めたのは昨日か一昨日だろう。 毎回お世話になっていて(アタシがですよ)顔馴染みだったのに・・・、ほぼ毎晩通うような常連なのに・・・「もう直ぐ閉めますので」と言わなかったのは、多分店主のプライドか尊厳なのかもしれないし、とうに張り紙を読んでいると思っていたからなのかもしれない。
この、大手のセブンイレブン(通称、裏町のセブン)は誰が経営者なのかはいまだに知らぬが、アットホームな人情店だった。 多分大半で家内経営だったのだろうと思う・・・。 お爺ちゃんみたいな店員や、年配の店員や、たまに居る若いパートの店員で賄っているような店だった。 このセブンはアタシたち水商売にとって無くてはならぬ存在だった。 深夜営業だったササイと言うスーパーが無くなった後は、唯一足りないものの補給が出来る店で、アタシの店の斜向かいだった事もあり目印にもなっていたセブンだ。
この辺の街すがら、水商売の店以外会社は無いし、道路も狭く、家並みは古い民家が多く、昼間セブンに物を買いに行かなければならない人はかなり少なかったのかも知れない・・・。 夜や深夜はそこそこお客がいても、きっと成り立たなかったのだろう・・・。 人事とは思えぬこの状況に、ただただ悲しさと無情さがつのる。
半年ほど前・・・、お好み焼きの材料不足で、客を待たせ急遽セブンに青海苔を買いに行った事がある。 ところがあいにくセブンに青海苔が置いてなく「仕方ないですね・・・もし良ければ多少で良いので次回から置いておいてください」と言い残し店に戻った。 そうしたら、約10分後、セブンのパート店員だと思い込んでいたその御爺ちゃん店員が、青海苔を持って店のドアを開けたのだ。 (この人が本当の経営者かもしれないのだが・・・)
自分の持ち場時間が過ぎた後、な、な、なんと歩いて5分も掛かるスーパーまでわざわざ買いに行ってくれたらしく、それを丁寧に届けに来てくれたのだ・・・・・・!!!!! アタシはあまりの事に、思わず涙してしまったくらいだ・・・・・・。 そんな人が居た店なのだ。
こういう風に世の中の流れや、新たな規制や諸々で、良い人間が経営する店がどんどん無くなって行く・・・・・・。 例えば今回の沖縄の米軍基地の不祥事問題で、外出禁止令が出た事は致し方ない事なのかもしれない。 だけど、アタシは問題を起こした人間と直属の上司くらいが厳重に処罰されれば良い訳で、皆が皆、外出できないとなると、その人たちを相手に経営していた店にとっては死活問題だと思う。 猫も杓子も外出禁止にするならば、そういう事で生計を立ててた人たちに救いの手を差し伸べて上げるべきだと思う。
人間はどんな職業においても悪い事をする人も居れば、悪い事をしない人も居る。 悪い事をした人だけを厳重に罰すれば良いじゃないか・・・・・・と、アタシはそう思う・・・・・・。 数人悪い事をした人が居ると、全てがそういう目で見られ、責任を取るというのは何かが違うと思う。
今回の斜向かいのセブンが無くなった事とそれとは全然意味合いが違うかもしれないけど、変な規制が酷くなり過ぎたお陰で、水商売の人々やそれに付随する人々は何の保証も無いまま店をたたむ人が多い。 命がけで守っていた店をたたまなければならないと言うことは、死ねと言うのと同じじゃないか・・・。
企業が何百億と言う債務を抱えれば助ける機関が有るのに、ちっぽけな個人事業主には何の保証も無く、たった数万円が足りぬために自殺する人も居る。 そんな矛盾した世の中に最近憤りばかりを感じてしまう。
あの気の良い人たちの顔が見られなくなる事と、あの老齢の人たちの今後を考えるとやりきれない気持ちだ。
2008年02月26日(火)
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