マキュキュのからくり日記
マキュキュ


 (日記) NOが平気に言える様になってきた。


昨日、ジャスコで店の仕入れをしていたら、遠くの方から女性が近付きながら、じっとこちらを見ている。
私も何となく知ってる人だよなぁ・・・とは思うのだが、まったく思い出せない。
そうしたら彼女から「もしかして・・・マキちゃんじゃない?」と言うので「ええ、そうですけれど、アナタは?」と聞いたら「(S)子よ(S)子!」
と歯がゆそうに笑っている。
それでようやく解ったのだが、昔知っていた(S)子とは余りにも形相が違っていたので全然解らなかったのだ。
何となく彼女の顔は疲れており、精気がない。

彼女は、私が松本に来た22歳の頃、教習所代が足りなくなり、短期間のつもりでアルバイトをしていたクラブでのホステス仲間(S)子だったのだ。
年齢は私より4つばかり上だが、当時の彼女はもっと活き活きとしていて、気取らぬ面白い人だったので私は結構仲が良かった。
まぁ、27年ぶりくらいの再会なので、互いに婆さんになっていて当然なのだが・・・・・・。

「お茶でも飲まない?」と半ば強引に誘われ、まだ少し時間が有ったのでこれと言って断る理由もなくジャスコの喫茶店に入った。

「元気そうだね」と互いに面目上の挨拶を交わし、その途端、「ねぇねぇ聞いてよ」と、彼女が当時のクラブのママや他のメンバーたちの噂話や陰口を弾丸トークで喋り出したのだ。

しばらくは黙って聞いていたのだが、私はウンザリし「ねぇ、(S)子ちゃん、アナタは人の悪口ばかりだね・・・・・・。昔はそんな人じゃなかった筈なのに。ねぇ? もっと楽しい話題はないの?」と、自分でもびっくりするくらいきっぱりと話題の方向性を拒絶したのだ。

彼女もバツが悪そうに苦笑し、いったんは話題を変えはしたのだが、話している内にやはりどんどん横道に反れ、人の陰口になって行く・・・・・・。

陰口と言うのにも2種類あると思う。
明らかに悪意のみで、その人間の思い込みや偏見から発せられている悪口と、あの人は今、○△らしいんだけど・・・、もっと○△すれば良かったのにねぇ・・・などの、その人が少しでも良くなるようにとのアドバイス要素が含まれている物との2種類があると思う。

(S)子のそれは聞いているのも嫌になるほど悪意に満ち、程度の悪い陰湿な悪口だった。

私は堪り兼ねて「(S)子ちゃん、悪いけどそういう話なら私は時間もないので帰るわね。人の悪口は聞きたくないのよ」
そう言い、自分の分のコーヒー代をテーブルに置くと、私はそそくさと店を出た。

以前の私なら、きっとそこまでの強い態度は示せなかっただろう・・・。
人を傷付けるような、申し訳ない気がして嫌々ながらも話しにあいづちを打っていたかも知れない。【それは決して優しさではなく、自分の弱さからなのだが・・・】
NOと言えない日本人だった私は、人からNOと言われる事も自分がNOと言う事もきっと怖かったのだと思う。
NOと言う事、言われる事は、全面否定する事、あるいは、全面否定される事と同じ事なのだ・・・などと言う間違った認識があった。
人間はもっと複雑で、ある部分はYESだけど、そこの部分だけは妥協したくないのでNOだわね・・・、と言う事も多いのだ。
だからNOイコール全面否定では決して無いのだが・・・・・・。

なので、不本意ながら、心ではこういうことを聞いているのは嫌だなぁと思いながらも、その場の雰囲気を壊すのが申し訳なく、人に合わせ、人に引きずられるようなところがあった。
でも、今はNOの裏側にYESが含まれている事も充分知っているし、NOは決して否定語ではなく、建設的な考えに切り替えるためのNOが有る事も知った。

プラス思考に移り変わって行くと、マイナスの要因を発している人がだんだん苦手になって行く。
折角良いエネルギーが充満し始めているところに負のエネルギーが注ぎこまれると、弱い内はツイそっちに引っ張られそうになってしまうものだ。
それは長年住み慣れた場所に戻るような安堵感にどこか似ている。
でも、やはり私の道は間違いだったと気付いた以上は、正しいNOを持つ事で、そのリバウンドから守られる事も十分に知った。

彼女はもしかしたら傷ついたかもしれない。
でも、私のNOから何かを汲み取ってくれ、彼女自身が思考を変えて行ってくれれば、そのNOが役に立つのかもしれないと思うと、後ろめたさは全然無かった。


2005年08月12日(金)

My追加
☆優しいあなたは両方 クリック してくれると思うな〜☆ 人気投票ランキング
初日 最新 目次 MAIL