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■ 【エッセイ】 ユーモアのセンス
が研ぎ澄まされた人は大好きだし尊敬する。 阿吽の呼吸でそれらが言い合える人達が実に羨ましいと思う・・・・・・。 男女を問わず、間髪を居れず、洒落た、高度で、唸りたくなるようなユーモアやジョークを織り交ぜた会話のお手玉を遣り合っている人に触れると、耳をそば立て、ついつい聞き惚れてしまう。 なので昔から、仏蘭西小話の本とか、blackジョークの本とか、阿刀田高さんのユーモアに関する本などは好きで良く読んでいた。
私が育った環境は、かなり毛色が違った人種ばかりの身内に囲まれていた為、辛口、辛辣、ブラック要素たっぷりで、そんなジョークの中でも、かなり洗練された高尚な物が私の頭上を常に飛び交い、とても勉強にはなったものの、私は何時も即返しが出来ず、ただただ皆の会話を聞きながらゲラゲラ笑っているだけだった。
所ジョージ風有り、サンマ風有り、たけし風有り、タモリ風有り、山城真吾風有り、女性で言えば、YOU風有り、中尾ミエ風有り、中島愛風有り、桃井かおり風有り、森瑶子風有り・・・・・・。 かなり手厳しいメンバーだとお解りだろうが、そんな要素を沢山合わせ持った、そうそうたるメンバーの親類達に、私は太刀打ちできる訳もなく、何時も閉口し、ただただ感心しながら皆のやり取りを楽しんでいた。
世の中には全然面白くも無い事を、これ見よがしに言う人が実に多い。 【オマエもだ! ってか? ごめんちゃい・・・・・・!】
でも、そんな親類達に囲まれて育ったせいか、ジョークを聴く耳だけは持っているつもりだ。 なので、今の若手芸人にしても、素人にしても、あまりに程度の低いジョークには笑うに笑えないどころか、虚しさまで覚えるのだ。
ましてや、私のような商売をしていると、『最低!!』と思う人々にも始終触れなければならない。 皆様、私が湯上り所でマッサージ器の販売をしているのはもう充分ご承知だろうが、その湯上り処の奥が二手に分かれていて男湯・女湯になっている。 そして一日に必ず3人や4人居るのが、女湯を指して「アッチに行っちゃいけないぞ! セクハラで訴えられちゃうぞぉ〜! ねぇ?お姐さん?」と私のウケを意識し、仲間内に豪語し、自分で受けて喜んでいるアポなオッチャン・・・・・・。 笑ってあげるのも商売だと思い、仕方なく引き攣った笑みを浮かべてあげる。
後、やはり必ず3人や4人居るのが、「無料マッサージはいかがですか?」と言うと、「真中の足も揉めると良いんだけんどねぇ?」と言う、身のほど知らずのドスケベオッチャン・・・・・・。 私は澄ました顔をし、『ハイ、かしこまりました。会社にその旨、重々お伝え申しておきます』と平然と答えている。
後、話は別だが、「ただだってよ、ただ」と、仲間内を誘うだけ誘い、そのリーダー的な女性が、椅子に座る直前に、「本当にただなのね? 私達は絶対に買わないからね! だから売り付けないで頂戴ね!」等と言う、小憎らしく、超無神経なずうずうしいオバタリアンも居る。 『もちろん売りつけやしませんとも・・・。ただ、貴女のような方ほど欲しくなるものなのですよ? と言う理由はね・・・・・・?」と、わざとニッコリ笑って言う。 (そんな人には意地でも売りつけてやりたくもなるものでwww)あえて親身になって泣かんばかりに親しみを込め、バカっ丁寧に説明してあげるのだ。すると・・・、事実そう言う人ほど買うケースが多いものなのだ。(笑) 最初に牽制球を投げ付ける人は、買わされ易い性格だと言う事を自ら認めているようなものなのだ。
つい先日の女性客は、実にユーモアが洗練されていて、私はしてやられたと思いながらも、とても楽しめた。
お試しで座って、「コレは本当に気持ちいいわね〜♪」から始まり、私の説明もしっかりと聞いてくれ、その都度スマートで洒落た質問や答えが反って来、会話のお手玉もとても楽しめた。このまま商売を切り上げて一緒に飲みに行きたいくらいに楽しいレディーである。 そして【ウヒョ〜♪ もしかしたら売れるかも・・・?】と思わせておきながら、最後に何て言ったと思います?
「実は私も健康器具の卸なのよ。ごめんなさいね・・・。決して騙すつもりではなかったんだけど貴女を是非うちの会社に引き抜きたい気分だわ・・・。ねぇ? 良かったら住所と名前聞かせてくれる? うちの会社に鞍替えしない?」ですって。 これじゃぁ怒るに怒れない。(爆) 勿論丁重にお断りした物の、あんな女性の下で、洒落たトークを勉強したくもなった。
ともかく、気の効いた、人を不愉快にさせないジョークを沢山勉強したい。 そして営業会話を彩りたい。
あんな親類達に揉まれに揉まれたせいか、最近、書く物には少しずつジョークを取り入れる事が出来て来たとは思うのだけれど、口答バトルになると、まだまだ弱い。 コレは正しく、頭の回転の歯車が錆付き、ずれているのだろうが・・・・・。 気の効いた言葉が浮かぶまでに会話がどんどん逃げて行ってしまうのだ・・・・・・。
今日のみそひともじ
饒舌な 人を見てると 羨ましい 小洒落たジョークは 世の円滑油
2004年02月13日(金)
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