マキュキュのからくり日記
マキュキュ


 (日記)どえらいバチが当たってしまった・・・・・・。


私の会社は土・日・祭日が休みなので、昨夜は花の金曜日。
遅めの夜食が済んだ後、洋画劇場を見終え、サテ・・・・・・、これから思う存分、ゆっくりパソコン三昧と行きますかぁ〜♪ と、パソコンの電源を入れ、先ずは友達のサイトから・・・と、探索をし始めた。時刻は12時を廻っていた。
と、そこに一本の電話が・・・・・・。

電話は(S)からだった。
(S)は現在、地元のCMソングを作曲したり、バンド活動を行ったりしている、音楽家を副業に持つ友人なのだ。
元々は私の店の常連仲間の一人で、音楽の話題から仲良しになり、彼を口説いて(色恋の口説きではありませぬ・・・)ピアノ弾き、兼、マネージャー的存在として、アルバイトをしてもらっていたのである。
そして何を隠そう、今では私がアルバイトをしているテレアポ会社の先輩社員でも有るのだ。
入社した翌日、会社で偶然(S)の顔を見掛けた私は、かなり驚いたと共に、(S)が居てくれれば、凄く心強い! と、嬉しく思ったものだった。

そんなやこんなで(S)は飲み仲間の一人でもあり、私の店が閉鎖した後も、付かず離れず、今は私の方が貧乏なので(S)の奢りで良く飲みに行ったりしていたのだが、会社の話題など出た事も無かった為、まさか同じ会社だなんて思っても見なかったのだ。
そんな(S)からの、「久々だから飲みに出ておいでよ」のお誘い。
なにゅにゅ? これからかい! (笑)

『でも・・・もう1時じゃん・・・、それに全財産2000円しかないし、タクシー代も無いのよ・・・・・・。15日の初給料まで、何とかこれで持たせなきゃならないし・・・・・』
私の貧乏内情は、よく知りえている一人だ。

「いいじゃん、いいじゃん! 飲み代は勿論オレが出すし、取り合えず車でおいでよ。帰りは代行で帰ればいいんだし。オレ、今他で飲んでるんだけど、これから(K)に向かうから、先に行って飲んでてよ」

『そう? んじゃぁ〜、久しぶりだし・・・・・・、飲むか、飲むか!』

フゥーリィーに恐る恐るお伺いを立てると、少々呆れながらも、お許しが出た。
こうなりゃ尻尾を振ってホイホイ〜♪ の口なので(爆)、私は待ち合わせの行きつけのスナック(K)までイソイソと車で出掛け行ったのだ。

店に着くと(S)はまだ来ておらず、代わりに、やはり同じ毛色の飲み仲間である(M)にバッタリ出くわしたのだ。
「きゃぁ〜きゃぁ〜。おひさ〜」ってんで、しばし(M)をツマミに飲んでいたのである。
やがて一時間遅れで(S)も来、皆、同じ仲間なので、飲むわ歌うわで、大いに盛り上がっていたのである。
飲み始めが1時半を廻っていたので、あっという間に閉店の4時が来てしまい、まだ飲み足りない風情の(S)が、やはり行きつけのもう一軒のパブに電話を居れて、これから行くと予約を取っている。(爆)
(M)は眠いとリタイアし、(S)と二人で行く事になったのだ。
外に出ると既にウッスラと明るくなっていた。

(K)と2件目の(R)は道一本隔てただけ。車で移動し、私達は(R)で飲みなおしに励んでいたのである。(R)のマスターも喧嘩友達のような気楽な存在だ。

やはり飲めや歌えやで盛り上がり、間も無く閉店がやって来、とうとう店をオン出されてしまった。(笑)
しばし(S)の車に乗り込み、テレアポのアドバイスやコツを聞いていると、マスターたちも店から出てきて「じゃぁねぇ〜又ね〜」と帰って行った。
時刻は朝の6時ごろだろうか。
飲み屋街なので、辺りはシ〜ンとしている。

「ご馳走さん♪ それじゃぁあさって会社でね〜」と、(S)の車を降り、(S)を見送った後、自分の車に乗り込もうとしたら、何とカギが無いではないか! それに代行代を借りるのも忘れてしまっていた。

お陰で酔いは一気に覚めてしまったものの、私は、一体どうやって帰ればいいのだ・・・・・・。キーホルダーには家のカギから何から、皆一緒に付いているのだ。
「ど、ど、ど、どうしよう・・・・・・!!」
慌てて携帯で(S)に電話しようとしたら、何と、形態が停められている事に気が付いた。
所持金は1000円札2枚と、さっき(M)にカンパしてもらった500円玉が一枚と、100円玉が一枚と、10円玉が2枚だけ。
公衆電話を探し(S)の携帯に電話を入れ、「カギが無いのよ。あなたの車に落ちてない?」と聞くと、「落ちてないよ」と言う。20円しかないのであっという間に電話が切れてしまい、私は途方にくれた。

仕方ないので100円玉を一枚入れ、家に電話をしてみた。
しかし、フゥーリィーは既に会社に出た後で、虚しく留守電に切り変わり、ホンノ10秒ほどで100円が落ちてしまった。
(もったいない・・・・・・)
一時間ほど車の前をウロウロし、情け無さに泪する。

夫の会社まで行くタクシー代も無いし、ギリギリ家までタクシーで帰ったところで、家にも入れないし、所持金ゼロになってしまう・・・・・・。
(何とかこの2000円で15日まで食い繋がなきゃ・・・・・・)
路駐なので、車を何時までも停めておく訳にも行かず、かと言って、さっきの店で散々、「マキュキュの人騒がせ振り」に付いての話題で持ちきりにされていたお陰で、(M)にも(S)にもこれ以上迷惑を掛けるわけには行かなかった。
車が通るたびに、ヒッチハイクよろしく、夫の会社の方面に行く車を求めたが、生憎反対方面に行く車ばかり・・・・・・。

やがてポツリポツリと商店が開き始めたので、500円玉を両替えしてもらい、祈るような気持ちで夫の会社に電話をしてみた。
しかし、本来土曜日は会社が休みだし、夫の仕事はフォークリリフトなので外仕事。
遣り残した仕事をやっつける為と、生活費を稼ぐ為、夫は頑張って毎週土曜日も一人、半日だけ出勤し仕事をしているのだ。
やはり誰も電話に出るはずも無い・・・・・・。

(あぁ。。。天罰だ。。。。。。)

トイレには行きたくなるは、喉はカラカラに渇くは、近くに喫茶店も無いし、例え有ったとしても1円たりとも無駄には使えない。
仕方なく近所の公衆トイレに入り、又、車の側へ。恨めしい気持ちで愛車を眺める。

こうなったらもう、昼になって夫が家に帰るまで、こうして突っ立っているしかないのだ。
寒さに震え、情けなさに震え、自然に泪が出て来る。
何処かの店の階段に座ったり、車に寄りかかったりしながら、時の過ぎるのをひたすら待った。

10時になり、ほとほと疲れ果て、ダメ元でもう一度夫の会社に電話を入れてみる。
(あっ! 誰かが出た!)
たまたまラッキーな事に、事務所に来てた人が居たらしく、私は藁にも縋るつもりでその人に夫に電話口に来るよう伝えてもらった。
「では、5分程したら呼んでおきますので、もう一度電話を掛けなおしてください」と言われ、ほっとしたと同時に、体の力が一気に抜けてしまった。

再び会社に電話を入れると、何とも懐かしく響く、愛しい夫の声・・・・・・。
泣く泣く事情を話す私に、「このアホンダラめが! しょうがないなぁ・・・、じゃぁ、10時で上がってそっちに廻るわ!」と夫。
この時ほど、夫の存在が、いかに有りがたき物なのかを思い知らされた事は無い。

(R)を出てから6時間彷徨い続け、疲れが一気に噴出し、安堵のあまり、私は石垣にもたれながら眠ってしまったようだ。
まるで、ホームレスのよう・・・・・。
道行くひとは、さぞかし、不気味だった事だろう・・・・・・。
しかし、誰一人として声を掛けてくれない所が、救いでもあり、又、悲しくもある。(笑)
「マキュキュ!」夫の呼ぶ声で目を覚まし、夫が持っていた合鍵で、2台連なって家路に着き、やっとフカフカのベットに倒れこんだのである。
そして目覚めれば薄暗く、もう一日は、半分以上終わっていた・・・・・・。



いやぁ〜。でも、楽しかったなぁ〜。盛り上がったなぁ〜。
久々にはじけられたし、歌も思う存分歌ったし・・・・・・。
本当にご馳走様でした〜。お陰様で物凄くリフレッシュできたよ〜。
又飲みに誘ってねぇ〜。

↑(全然懲りてないアタシ・・・。)









2003年05月10日(土)

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