マキュキュのからくり日記
マキュキュ


 【短編ファンタジー】ピディーがくれた夢 (Ⅲ)


 
 さっき目覚て、歯も磨かぬうち、エンピツのランキング見たら、私の目標の50票、丁度、達成してました~~。
 
   (..)(^^)(^。^)(*^o^)(^O^)

 最近、自分では、投票を押さぬよう、心がけてます(笑)
 前は、日に一度、必ず1票入れてたんですけどね・・・・・・(^^;

 ともかく、目標の『月に50票』は、どうやら、達成できました。

   

 サテ・・・、本日も昨日に引き続き、ピディーがくれた夢をご紹介です。


         『 ピディーがくれた夢 』 (Ⅲ)


 お昼の食事がすむと、お母さんに手伝ってもらいながら、メグはさっそく、ブローチ作りにとりかかります。

メグのベッドは、(メグ工房(こうぼう))に早がわり。

 先ずは、チョット厚(あつ)めの、はっぽうスチロールのトレイを、きれいなハート型に切りぬいて、両面に、金色のクレヨンで、色をぬります。

次に、瞬間(しゅんかん)接着剤(せっちゃくざい)で、そのうらがわに安全ピンを、とり付けます。

ハート型の表には、ボンドを、少しあつめにぬりつけ、そこに、まつぼっくりや、ドングリや、色とりどりのビーズなどをうめこみます。

ここが、センスの見せどころ。

「メグ、大丈夫? つかれない?」

 お母さんが、しんぱいするのですが、

「ぜーんぜん! 元気、元気ぃ~」

 メグは、おおはりきり。

 お父さんは、つきそいようのソファーで、コックリコックリ、居眠(いねむ)りをはじめました。

 メグたちは、それを横目で見ると、

「プププッ!」

 と、笑いあいました。

 さあ、じゅんびはオーケイ。あとは、ブローチがかわくのを、じっと待つだけです。

 ブローチをかわかしてる間、メグは、ピディーといっしょに横になって、お母さんに、本を読んでもらいました。

 やがて、3個の、ステキなブローチは、みごとに完成(かんせい)したのです。

「うわ~。キレイにできたね?」

 メグはまんぞくそうに、目をかがやかせました。

「はい、これはお母さんに・・・」

 お母さんは、ブローチを受け取ると、ちょっぴり涙(なみだ)ぐみながら、

「あ・り・が・と・う・・・・・・、メグはブローチ作りの天才ね」

 そう言って、メグを抱(だ)きしめました。

「これは、キィーねぇちゃんのぶん」

 メグは、木崎さんにわたすブローチを、きれいなチョコレートの箱に、しまいました。

「はい、ピディー、おまちどうさま」

 メグは、さいごのブローチを、さっそく、ピディーの帽子(ぼうし)につけてみました。

「うん、うん! なかなかにあうじゃない? ピディーがいつもよりも、ずっとハンサムになったわ。やっぱり、私はブローチ作りの、大天才だ!」

 メグがとくい顔でそういうと、

「自分で言うかぁ?」

と、お母さんが大笑いをしました。

 それにつられて、メグも思わず、ふき出しました。

 メグたちの笑い声で、お父さんがビックリしたように、目を覚まし、ソファーの角(かど)に、頭をぶつけてしまいました。「イテテ・・・・・・」

そのすがたが又おかしくて、メグはおなかを抱えて笑いころげます。

メグの病室は、ゆかいな笑いのうずにつつまれました。


あの日いらいメグは、体調(たいちょう)の良い日をえらんでは、お母さんといっしょに、ブローチ作りにせいを出しました。

 メグが一つ一つ、ていねいに作ったブローチは、全部で15個にもなりました。 

「キィーねえちゃん。これ・・・入院しているお友だちのみんなに、一つずつあげてほしいの。男の子には、その子のお母さんに、ってね?」

 メグのそんな言葉に、木崎さんは、むねをつまらせてしまいました。

「ありがとう・・・メグちゃん・・・、メグちゃんやさしいね・・・・・・。みんなきっと、ものすごくよろこぶわよ・・・・・・」

 そういいながら、木崎さんは、メグの両手をそっと、自分のほほに当てました。

それらのブローチは、メグの希望どおり、『チャイルドホスピス』に入院しているお友達や、その子供たちのお母さんに、一つずつ、木崎さんの手から、くばられたのでした。

少しでも、お友達が元気になれるように・・・・・・、という、メグの願いがこめられた、心のこもったブローチです。


 やがて、短かった秋が終わり、だぁれも知らないうちに、そっとバトンがわたされ、きせつは冬になりました。

このころになると、メグのようだいが、日に日に、悪くなって行ったのです。

高い熱が、なんにちもつづき、からだがだるくて、ベッドからおきあがることさえ、出来ない日々が、だんだんと、ふえていきました。

もうメグには、だいすきなブローチを作る元気さえも、なくなっていました。 

 このごろのメグは、一日中、ベッドの中だけですごす事が多くなりました。   

お父さんもお母さんも、そんなメグを付きっきりで、はげまします。

でも、もう、メグにはご飯を食べる元気も、なくなりはじめていました。

お母さんが、メグの大好きなリンゴをすって食べさせてくれても、すぐに吐(は)いてしまいます。

メグは、たべものを飲みこむ力も、おとろえてきたのです。

「くるしいね? つらいね? あぁ・・・かわいそうに・・・・・・」

 お母さんは、そっとメグをだきよせ、背中や、頭をさすります。

そんなメグが、あまりにもかわいそうで、お母さんは、メグに気付かれないように、お皿を洗いながら、声をころして泣きました。
―その日の夜のことです―

 メグは、すぐとなりの、つきそいようのベッドで、軽(かる)いねいきを立てているお母さんをおこさないように、小さな声でピディーに話かけました。

「ピディー、メグ、ちっともねむくないの・・・。少しだけ、おはなししましょう?」

 ピディーにつけられた、ブローチを見ると、メグはきゅうに、かなしくなりました。

「とっても似合うよ、ピディー・・・・・・」

 メグはピディーに、そっと、ほおずりをします。

「ピディー? きっともうすぐ、メグは、死んじゃうんだね・・・・・・」

 みるみる、メグのひとみには、なみだの泉ができました。

「ピディー、人は、死(し)んでしまうと、どこに行くの? ねぇ・・・、教えて? ピディー。死んだら、どうなるの? メグ、死(し)ぬのなんか、ちっともこわくなんかないよ? ヘイッチャラ。ほんとだよ?・・・・・・なぁーんてね・・・・・・、ウフフ・・・うっそ・・・・・・。そんなの、大うそだよ~だ! やっぱり、メグ、死(し)ぬのものすごくこわいよ! 死(し)にたくなんてないよ・・・・・・、 メグ、もう一回、元気になって、ピディーとまた、あそびたいよ・・・・・・。ずっと、ずっと、ピディーといっしょにいたいよ・・・・・・」

 とうとう、メグのひとみからなみだの泉(いずみ)があふれだし、ピディーの顔をぬらします。

 すると、どうでしょう・・・・・・。


「メグ? 泣かないで? メグは強い子じゃないか・・・・・・」


 なんと、声が聞こえて来るではありませんか。

 メグはびっくりして、となりのお母さんをのぞきこみます。

でも、お母さんは、小さくね息を立てたまま、スヤスヤと眠っています。

「まさか・・・、ピディー、あなたなの? あなたが話したのね?」

「そうだよ、メグ・・・ボクたち、親友だろ? いっしょにあそぼう?」

「でも・・・・・・もうメグは、動くことも食べることも出来なくなってしまったわ・・・・・・」

「だめだよ、そんな弱気(よわき)になっちゃ・・・、メグ、がんばるんだ! がんばって、もういちど元気になるんだ!」

 ピディーは、かなしそうに、首をかしげます。

「メグのブローチを、待ってる子供が、ほかにもいっぱいいるよ? ぼくもてつだうから、明日からまた、いっしょに作ろうよ。ねっ?」

 ピディーは、メグの顔を、のぞきこんで、ニッコリほほえみかけます。

 メグも、かぼそく、笑います。

「じゃぁ・・・、がんばるってやくそくするから・・・、明日から、又、ブローチたくさん作るから・・・・・・、一つだけ、メグのお願いを、かなえてほしいの・・・・・・」

 ピディーは、力強く(ちからづよく)うなずくと、

「わかったよ、メグ・・・・・、何でもかなえてあげるよ? さぁ、いってごらん」 

 と、耳をすませました。

メグは、ピディーの耳元にくちびるをよせると、はずかしそうに、そっとおねがいをしてみました。

「メグね、一度だけ、お空を飛んで見たいの・・・・・・。でも・・・、そんな事ムリだよね・・・・・・」

 ピディーは、笑いながらうなずくと、指でオーケイマークを作ります。

「ダイジョウブ。そんな事なんて、おやすいごようさ!」

そう言って、ピディーは、まくらもとから、べットの下に飛び下りました。

すると、ピディーのからだが、見る見る大きくなったのです。

メグは、目をパチクリさせると、おもいきり、自分のホッペをつねってみました。

「痛たたたっ! 夢じゃないのね?」

「あはははは・・・・・・」

 ピディーが、声をあげて笑いました。メグがあわてて、ピディーの口をふさぎます。

「シーッ! だめよ、ピディー、お母さんが起きちゃうじゃない!」

 メグはドキドキです。

「さぁメグ、僕にしっかり、おぶさるんだ」

ピディーは、メグの手をとると、そういいました。

すると、フシギな事に、さっきまでは、あんなに、だるかったメグの体は、スッと軽くなり、自由に動く事が出来るのでした。

メグが、ピディーの背中(せなか)にしっかりとつかまると、ピディーはパラシュートを広げ、病室の窓から夜空に向かって飛び立ちました。



                    ―次回に続く―


                     





2002年05月28日(火)

My追加
☆優しいあなたは両方 クリック してくれると思うな~☆ 人気投票ランキング
初日 最新 目次 MAIL