睦月の戯言御伽草子〜雪の一片〜 Copyright (C) 2002-2015 Milk Mutuki. All rights reserved
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「さ、お召し上がりください。明日のことがあるので生臭はご用意できませんがそこそこにおいしいと思いますよ。」
用意してくれた食事は精進料理だと狐が言った。 「雪さんは覚えていらっしゃるかもしれませんね。京都という国のご馳走です。」 「・・・・国だったかな・・・?」 国?国ではなかったと思うしご馳走という以前のもので頻繁に誰でも食べれるものではなかったはず・・・
「やっぱり雪さんは狐の出すものなんか召し上がりませんよ。何が入ってるかわかりませんからね。」末っ子地蔵のキンキン声でわれにかえる。 「いや、食べるよ。ここでは誰が出しても変なものが出ることはないもの。」 「・・・・・・・雪さんが食べるなら私も食べますが・・」 なんでも狐のすることが気に入らないらしい。 「そういえば君って名前なんていうの?」話をそらそうと末っ子地蔵に聞いてみた。
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