初めてのときめき
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私は、恋愛というか異性への興味に対して、疎い方でした。
よく、初恋は幼稚園とか小学校とか聞きますが、私には本当に好きになった男の子は居ませんでした。 それどころか、アイドルにさえ興味が無かったぐらいでした。
転校生として別の小学校へ入った私は、それだけでも目立つことになりました。 そして、しばらくするとクラスのある男の子と恋仲だと噂をされました。 よくある話です。 クラス中から勝手にはやし立てられ、なんとなくその男の子を意識し始める事になりました。
でも、それは、皆に合わせるために無理に好きなアイドルを作ったのと同じ程度。 私は周りのオマセな女の子たちに付いていく為に、嘘をつき始めたのです。 好きでもない男の子を好きだと自分に思い込ませる。 なんとなく片思いを演じている。 そんな感じでした。
中学2年の時。 運動部に入った私は、そこで初めて気になる異性が出来ました。 同じ部活の一つ上の先輩。 その先輩の姿を、部活中はいつも目で追っていました。 先輩の時間割をこっそり教室を覗いて確認し、体育や技術の時間はチャンスとばかり、居そうなところへ出没して姿を見に行きました。 部活中は、キャプテンということもあり、怖い存在でしたが、逆にそれも魅力でした。 そして、部活の後で皆でバレーボールなどをして遊ぶ時間には、唯一先輩の笑顔を見れ、その表情のギャップにますます好き度がアップしたものです。
芸能人にすら興味を持たなかった私の中で、先輩は初めてのアイドルでした。 試合などの時に顧問の先生が撮ってくれた先輩の写真を、こっそりと貰い、 プラスチックの透明ケースに入れて持ち歩きました。 同じ部活の同級生にはやし立てられると、顔面が真っ赤になり、目が合っただけで大慌てで隠れるぐらい。 間違っても、側になど近寄れないほどのアイドルぶりでした。
告白など、考えた事もありませんでした。 付き合うとか、彼氏彼女とか。 そういう付き合いがどんなことなのかすら、その頃の私には想像も付かなかったのです。
そして、中学3年である先輩たちは、夏休み頃から徐々に部活に顔を出さなくなっていきました。 それと同じ頃に、先輩が同級生と付き合ってるという噂を聞き、私の先輩に対するアイドル熱は冷めていったのです。
たった、2-3ヶ月のアイドルでした。
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