投函されない手紙 生きていくための遺書
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パパとママへ
できそこないでごめんなさい ひとりだけで不揃いをつくれてしまった 丈夫にもなれずにごめんなさい あのことを忘れられなくてごめんなさい 天国の火で焼かれるときに全部消してもらえますように
P
会えてよかった。 きみの幸福をいつもこころからねがっています。 女の子同士だったら結婚したかったね。 そうしていっしょに生きていたかったね。
K
捨て猫をひろうようにポケットに入れてくれた そのことだけでもう十分なんだよ 長い長い時間が、用意されていますように。
M
会えるはずもないのに会えてよかったです。 いつまでも我侭でごめんなさい、 返せるものが今はない。
怖がられていることも知っていたの でも、ごめんね
それも、あたしだったんだ。
いつかわらってこのあたしに向き合いたい。 かなりぼろぼろだけど、
きのうまでは全部ぐじゃぐじゃのプールで明日は闇だ そんなところに閉じ込められたままの10歳の子どもでは なくなれるように
それを信じていけるように
夭折したものは偉大かもしれない でも あたしは 夭折しないことを選べるなら そうできるほうがおおきくつよいと 思いたいです。
思い残すことなんかなくて
だから
かみさまあたしに 思い残すことをつくれるだけの時間をください。 この月をきっとなんとか歩いて抜けていけるように。 この わたしがうまれたけれど わたしが憎んでいる きっと危うい時間の並びを あとで振り返れるように。
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